紀元前6000年ごろから人々と共に歴史を歩んできたパン。日本へは紀元前200年ごろに小麦が伝来、その後空海により806年、蒸しパンが伝えられた。現在は材料も調理法も異なる、数えきれないほどのパンが存在する。ここではパンの名称、生まれた国、その特徴やエピソードなどを紹介する。(「イミダス2002年版」掲載)
チヨールヌイ・フレープ
ロシアの食事に欠かせない黒パン。小麦粉とライ麦粉、そば粉をイースト発酵させてローフ型に入れて焼く。独特の強い酸味があり、目が詰まっていて重くどっしりとしている。薄くスライスして、サワークリームやバターを塗ったり、キャビアや鮭など塩味の魚介類をのせたり、ボルシチに添える。
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ピロシキ
ロシア。肉や野菜などの具をパン生地で包み、揚げたり焼いたりしたもの。皮が薄く、具がたくさん詰まったものがおいしいとされる。日本の総菜パンの元といえるピロシキだが、ロシアではパーティーや祭事の温かい前菜として出されるが、時にはメーン料理になることもある。日本は揚げたものが一般的だがロシアでは焼きピロシキが主流。
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グリッシーニ
イタリア。ピエモンテ地方トリノのパンとして有名。人さし指ぐらいの太さの細長いスティック状。細く伸ばして焼くので、水分が抜けてかりっと仕上がる。塩味が効いた香ばしい食感。パスタや前菜と、またメーン料理の前に、バターやオリーブオイルをつけて食べる。ナポレオンが「小さいトリノの棒」と呼んで好んだという。
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フォカッチャ
イタリア。小麦粉、イーストなどの生地にオリーブオイルを混ぜて焼いた平たい丸形もしくは長方形のパン。硬いもの、軟らかいもの、表面にたくさん窪みをつけオリーブや香草、チーズをトッピングするなどバリエーション豊富。古代ローマ時代に、小麦粉を水で練って神へ供えていたといわれ、ピザの原形という説もある。
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