紀元前6000年ごろから人々と共に歴史を歩んできたパン。日本へは紀元前200年ごろに小麦が伝来、その後空海により806年、蒸しパンが伝えられた。現在は材料も調理法も異なる、数えきれないほどのパンが存在する。ここではパンの名称、生まれた国、その特徴やエピソードなどを紹介する。(「イミダス2002年版」掲載)
ロゼッタ
イタリアでは代表的な食事どきのパン。表面に星形の切れ目がつけられた小さな半球形で、中は空洞。生地にイタリア独特の種「ビガ」を用いることで風味と保存性が増す。さくさくした食感。空洞を生かしてサラダを詰めたり、サンドイッチ(パニーニ)に使われる。ミラノやベネチアではミケッタと呼ばれている。
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イギリスパン
イギリス。ティンと呼ばれる型を使いふたをせずに焼いた、山形に盛り上がったパン。生地が上にのびる分、きめが粗く軽いパンができる。日本では背の高いいわゆるイギリスパンが主流だが、イギリスでは小振りなものを薄くスライスし、かりっとトーストして、その食感を楽しむのが一般的。
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スコーン
イギリス。スコットランド地方の伝統的なビスケットの一種。小麦粉に砂糖、マーガリン、卵などを加え、ベーキングパウダーで膨らませる。外側は乾いた感じだが中はしっとり。レーズンやハーブを生地に入れることもある。上下二つ割りにして、ジャムやクロテッドクリームをつけて食べる。アフタヌーンティーには欠かせない。
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ソーダ・ブレッド
アイルランド。小麦粉や全粒粉とバターミルク、牛乳、ベーキングパウダーなどを一気に混ぜ合わせ、発酵させずに形だけ整えて焼く。簡単にできるのがうれしい。家庭によって粉の配合やレシピは様々。生地は目が詰まっていて重量感がある。ほのかに甘く口どけがよく、癖になる味。
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