現在承認されている星座は、1928年の国際天文学連合第3回総会の委員会で認められたもので総数は88。古代ギリシャから続くもの、大航海時代の船乗りにより新たにつくられたものなど、時代の変遷とともに星座の数も増してきた。そのうち代表的な52の星座を紹介する。星座の表記は理科年表による。(イミダス1998年版掲載)
ペガスス座
秋から冬の宵に、天頂近くに見える。ギリシャの勇者ペルセウスが、メドゥサの首を切り落とした時に、その血の中から飛び出したという天馬の姿をしている。首星マルカブのほかシェーアト、アルゲニブ、それにアンドロメダ座の首星がつくる大きな四角形が目印で「ペガススの大四辺形」と呼ばれ、「枡(ます)形星」という和名がある。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
へび座
晩春から夏にかけて、さそり座の頭部の上に見える。へびつかい座に二分される形で頭は西に、尾は東に分かれ、胴体部分は蛇つかいに絡みついている姿をとる。蛇の頭の近くには、M5と呼ばれる球状星団がある。古代ギリシャでは、蛇は脱皮することで若さを取り戻すと考えられ、医者と結びつけられ、へびつかい座と一体となっている。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
へびつかい座
晩春から夏にかけて、さそり座の頭部の上に見える。将棋の駒のような形に星が並び、アポロンの子である名医アスクレピオスの姿とされている。体にはへび座が絡みつくような形に横たわっている。右肩の近くにあるバーナード星は、毎秒108kmという速さで北へ移動している星で、「ランナウェイ・スター」とも呼ばれている。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
ヘルクレス座
夏から秋にかけての宵に、天頂近くに見える。すぐ東にはこと座のベガがあり、「H」の字を曲げたような形をしている。ギリシャ神話の英雄ヘラクレスが手足を広げて逆さまになった姿とされる。頭部にある首星ラス・アルゲティは赤と黄の二重星で、3等星ほどの明るさがある。また、胴体の中心部にはM13という球状星団がある。
◆その他のミニ知識はこちら!【星座のおもしろエピソード】