食文化として根源的なところで日本との共通点も多いイタリア料理。有名でも本来の意味や伝来が意外に知られていない用語、ユニークな表現、代表的メニュー、調理法などを中心に、イタリア料理の基本を理解するためのミニキーワード集である。(「イミダス2003年版」掲載・改訂)
デュラム・セモリナ
イタリアでは法律で「乾燥パスタは100%純正のデュラム・セモリナ粉を原料とする」として粉のひき方まで規定している。デュラム小麦粉は、外皮をとって製粉したセモラートと、芯の部分だけをひいたセーモラがあり、セモリナ粉はセーモラ粉をさらにひいたもの。家庭での手打ち生パスタには他の穀類も使われる。
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アルデンテ
パスタのゆで加減で、麺にわずかに芯が残っているくらいの状態をいう。パスタは日本の麺類のような粘り気がなく、プツンプツンとした歯触りで「こし」が弱い。日本人はこの食感になじめずに調理したパスタを短時間放置して伸びた状態で食べたという話もあるが、最近ではパスタ本来の歯応えを楽しむようになった。
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進駐軍とスパゲッティ
第二次世界大戦後、進駐軍のイタリア系アメリカ兵のための乾燥ロングパスタとトマトソースやミートソースの缶詰が、日本でのパスタの普及を促した。ゆでたスパゲッティにケチャップをからませる「ナポリタン」は「ミートソース」とともに昭和30年代半ばから都会の喫茶店やスナックの人気メニューとなった。
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和風スパゲッティ
社団法人パスタ協会の調査(2007年秋)によると、パスタソースの好きな味付けのトップは「トマトソース系」だが、2位が「和風系」。「クリーム系」、「ガーリックオイル系」と続く。しょうゆや、たらこで味付けする和風スパゲッティが親しまれ、パスタ料理の日本化がうかがわれる。
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