食文化として根源的なところで日本との共通点も多いイタリア料理。有名でも本来の意味や伝来が意外に知られていない用語、ユニークな表現、代表的メニュー、調理法などを中心に、イタリア料理の基本を理解するためのミニキーワード集である。(「イミダス2003年版」掲載・改訂)
「ヴィーナスのへそ」
トルテッリーニは手打ちの生パスタの詰め物料理で、いわばイタリアのシューマイ。その形状が美人(?)のへそに似ていることからそう呼ばれる。トルテッリーニ・アッラ・ボロネーゼは生パスタに牛・鶏肉、ソーセージ、チーズなどを包み、牛または鶏の透明なスープでゆでるエミリア・ロマーニャ州のごちそう。
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ソッフリット
パスタソースのベースになる調理法。トマトとオリーブオイル、ニンニクが決め手となる。フライパンに多めのオリーブオイルとつぶしたニンニク数片を入れたあと、トマトにバジリコなどの香草を加えて加熱。その際、炒(いた)めるというより「揚げる」感じで熱し、焦げないように徐々に水分を飛ばして作ることがポイント。
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カルパッチョ
ベネチアの高級レストラン「ハリーズ・バー」のシェフが1950年、ダイエット中の伯爵夫人のために考案した生肉料理。その色合いがルネサンス期の画家カルパッチョの色使いに似ていたことから命名。イタリア版「刺身」は生肉中心だが、今では日本の居酒屋メニューで「マグロのカルパッチョ」などを見かけるほどになった。
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パンチェッタ
豚バラ肉の塩漬け。ニンニクとオリーブオイルのソッフリットに、パンチェッタのひき肉を加えたラグー・アッラ・ボロネーゼは本場のミートソースといえる。本格的な味はパンチェッタ入りのソッフリットが決め手、入手困難な際はベーコンや脂身の多いひき肉で代用してもよい。
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