カタカナ語が多い園芸植物の名前も語源をたどれば覚えやすくなるだろう。(「イミダス1999年版」掲載・編集。参考:中村浩著『園芸植物名の由来』東京書籍)
アイリス(iris)
アヤメ科イリス属の一群の植物。アヤメ、ハナショウブ、カキツバタなど約200種類ある。属名のイリスはギリシャ神話の虹の女神イリスに由来する。この花が虹を思わせるように多彩で、色鮮やかなことによる。西洋のアイリスの代表種ジャーマン・アイリスは学名イリス・ゲルマニカ〔Iris germanica〕。ゲルマニカとは「ドイツの」という意味。
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アガパンサス(agapanthus)
南アフリカ原産のユリ科の植物で、和名はムラサキクンシラン。学名はアガパンスス・ウムベラートス〔Agapanthus umbellatus〕。アガパンススはギリシャ語のアガペー(agape=愛)とアンソス(anthos=花)の合成語で、英語読みがアガパンサス。ウムベラートスはラテン語の「日傘」を表すウンベラが語源で、花のつき方から。
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アキレア(achillea)
散房状の美しい花をつけるキク科の園芸種で、学名アキレア・ミレフォリウム〔Achillea millefolium〕。属名はこの草に薬草としての価値を認めた最初の人といわれるギリシャの医師アキレスにちなむ。種名は「細裂した葉」の意。和名はセイヨウノコギリソウ。種名と同じく、のこぎり状の葉の形にちなむ命名。
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アゲラタム(ageratum)
キク科の多年草で、熱帯アメリカに分布。アゲラタムはギリシャ語で「老いない」という意味。花の色が長期間変わらないことからつけられた。英語で年齢を示すエージ(age)は同じ語源であると思われる。丈の高いものと、矮性のものとがあり、花の色は濃青、淡青、白、ピンクなどさまざま。和名はカッコウアザミ、オオカッコウアザミ。
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