カタカナ語が多い園芸植物の名前も語源をたどれば覚えやすくなるだろう。(「イミダス1999年版」掲載・編集。参考:中村浩著『園芸植物名の由来』東京書籍)
バラ
刺のある小さな木という意味のイバラまたはウバラが語源。万葉集にはウマラという名で出てくる。これらは主にノイバラを指す。中国のコウシンバラやノイバラ、ペルシャのバラなどを複雑に交配して現在の園芸品種が生み出された。英語ではローズ(rose)というが、ギリシャ語では「赤い」という意味のロドン(rodon)。かつては赤花だったという。
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パンジー(pansy)
その花が人の顔に似ていることから、日本では人面草とも呼ばれる。英語のパンジーは、フランス語で物思いを表すパンセから出たもの。学名のビオラ・トリコロール〔Viola tricolor〕から三色スミレと呼ばれてきたが、紫、黄、白の3色の原種ばかりでなく、単色や多色のものもあるので、近年はパンジーと呼ぶのがふつう。
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ヒャクニチソウ
メキシコ原産の一年草または宿根草で、花が長持ちすることにかけては一級品。舌状花がいつまでも枯れないので、百日草の名がある。学名のジニア・エレガンス〔Zinnia elegans〕からジニアとも呼ばれる。ジニアはドイツの植物学者ジンにちなみ、エレガンスは「優美な」という意味。花壇用として人気のあるメキシコ・ジニアは花が小ぶり。
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ヒヤシンス(hyacinth)
小さな釣り鐘状の花がまとまって一輪の花のように見えるユリ科の植物でギリシャおよびシリア原産。主として地中海沿岸に分布する。さまざまな園芸品種があるが、原種は学名ヒヤシントス・オリエンタリス〔Hyacinthus orientalis〕で、東方のヒヤシンスの意味。ギリシャ神話に登場する美貌の王子ヒヤシンサスが名の起こり。
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