日本で一番高い山、富士山。四季折々に見せる姿の美しさも、昔から愛されてきた魅力だ。その魅力にちなんで、北海道から沖縄まで、それぞれの郷土に、「富士」の名を冠した山がたくさんある。日本列島、津々浦々の、「ふるさと富士」をご紹介しよう。( )内は正式名称。(2007年 イミダス編集部 編)
甲佐富士(甲佐岳)
熊本県。高さ753m。熊本平野南端にそびえる山。中腹の、重要文化財である釈迦如来像がある福城寺までは道路があり、ここから30分ほどで山頂まで登ることができる。途中には大理石の露頭、巨石奇岩の突出があり、新緑・紅葉と四季折々の変化は、多くの観光客を楽しませている。
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生駒富士(夷守岳〈ひなもりだけ〉)
宮崎県。高さ1344m。霧島山北東端にある、小林盆地から、なだらかな稜線(りょうせん)が眺められる山。全山が原生林でおおわれ、山頂は狭い平坦地となっている。山すその生駒高原は、コスモスやアイルランドポピーの咲き乱れる高原として知られ、多くの人々が訪れる。また、周辺は、高冷地野菜を中心とした開拓地でもある。
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本部富士(目良山〈みらむい〉)
沖縄県。高さ250m。本部(もとぶ)富士は、「ふるさと富士」の中で最南端にあり、太平洋戦争末期の沖縄戦では、多くの住民が犠牲となった、悲劇の山でもある。地元では「ミラムイ」とも呼んでいるが、「ムイ」は山や森を意味している。周辺は世界的にも貴重な円錐カルスト地域で、町を囲むように南東方向に連なっている八重岳は、桜が全国一早く咲く名所として知られている。
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