穀物や果実などを発酵・蒸留して造られる酒は、各地の文化や気候風土、嗜好などを反映し、長い歴史の中で洗練されてきた。世界各国の代表的な蒸留酒・醸造酒・リキュール(混成酒)の原料や製造法、味・香りの特徴などを紹介する。(「イミダス2001年版」掲載)
スコッチ・ウイスキー
イギリス北部のスコットランド地方で造られるウイスキー。大麦麦芽を乾燥させる際、燃料にピート(泥炭)を利用するため、独特のさわやかなピート香がつく。これを発酵・蒸留すると無色透明のスピリッツができ、さらにシェリーやオークのたるで熟成させるうちにこはく色になり、まろやかな風味と品格が備わる。
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アイリッシュ・ウイスキー
アイルランド島特産のウイスキー。大麦麦芽にライ麦や小麦などを混ぜて発酵させ、単式蒸留機で3回か2回蒸留した後、オークやバーボン、シェリーなどの古たるで熟成する。麦芽を石炭で乾燥させ、ピート臭がないのがスコッチ・ウイスキーとの大きな違いだったが、ピート香をつけるものも増えてきた。
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アメリカン・ウイスキー
アメリカのウイスキーは3種類に大別される。原料にライ麦を51%以上含むライ・ウイスキー、トウモロコシを51%以上含むバーボン・ウイスキー、トウモロコシを80%以上含むコーン・ウイスキー。バーボンの中でも、特にテネシー州で造られるものはテネシー・ウイスキーと呼ばれ、区別される。
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カナディアン・ウイスキー
禁酒法時代、そしてその解禁直後、アメリカ人は国境を越えカナダにウイスキーを求め、カナダ産ウイスキーが躍進するきっかけとなった。ライ麦が主原料のフレーバリング・ウイスキーとトウモロコシが主原料のベース・ウイスキーをブレンドするのが大きな特徴。ウイスキーの中で最も軽い風味を持つ。
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