「毒と薬は紙一重」といわれるが、私たちの周りには多くの有毒な生物が存在する。花壇を彩るかれんな花にも毒を有するものがある。しかし人間はその毒の中から有効成分を抽出して、特定の病気の治療に用いている。まさに「毒をもって毒を制す」である。(「イミダス1998年版」掲載)
ヤマゴボウ
ヤマゴボウ科の多年草で、ヨウシュヤマゴボウ、マルミノヤマゴボウと同属。いずれも有毒で、根には多量の硝酸カリとキンナンコトキシンというアルカロイドが含まれる。誤食すると脈拍の低下、血圧降下を生じ、心臓麻痺を起こして死亡することもあるが、漢方では利尿剤として使われる。若葉は山菜として食用になる。
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レンゲツツジ
ツツジ科の落葉低木。日当たりのよい山地に群生するほか、庭木としても植えられている。葉と花の蜜を中心に全木に有毒成分があり、誤食するとけいれんを起こし呼吸停止に至る場合もある。牛馬も口にしないことからベコツツジとよぶ地方もある。花をつけた群落は美しく、富士吉田の登山道付近のものは天然記念物に指定されている。
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ワライタケ
夏~秋の頃、草原や畑地、たい肥や牛馬の糞などに発生するキノコ。黄褐色または灰色で、傘は直径2~3cmの半球または鐘状で、縁のほうから裂けやすい特徴をもっている。柄の径は2~5mmで高さ4~8cm。誤って食べると神経が一時的に興奮し、笑いが止まらなくなったり、夢遊病者のような症状を呈する。
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