紀元前6000年ごろから人々と共に歴史を歩んできたパン。日本へは紀元前200年ごろに小麦が伝来、その後空海により806年、蒸しパンが伝えられた。現在は材料も調理法も異なる、数えきれないほどのパンが存在する。ここではパンの名称、生まれた国、その特徴やエピソードなどを紹介する。(「イミダス2002年版」掲載)
バゲット
フランスの家庭で最も一般的なパン。小麦粉、イースト、塩、水が材料。イーストの割合が低いため長時間発酵させる。皮はぱりぱり香ばしく、中はふんわり白く、目の粗い大小の気泡が入っているものがおいしい。同じ生地で成形を変えることで、バタール、パリジャン、クッペなどの名前がつき用途が違うパンとなる。
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クロワッサン
フランス。朝食での定番パン。バターを均一に折り込んだペストリー生地を成形して焼くと、薄い層が幾重にも浮き上がる。さくさくしたパイのような食感、バターの香り、しっとりした中身が味わい深い。フランスではバター100%使用のものは菱形、それ以外の油脂を使用したものは三日月型(クロワッサン croissant)に成形するのが一般的。
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パン・オ・ルヴァン
フランス。ルヴァンは「発酵種」を意味する言葉。レーズンや穀物、ヨーグルト、りんごなどから酵母をとって種を作るため、イーストは使用していない。最近人気の天然酵母のパン。独特の香りと酸味、こくがあり、生地もしっかりしていて噛むほどに味が出る。酸味が腐敗防止になり、保存がきくのも特徴。
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ブリオッシュ
フランス。日本では小形で、ぽこっとした頭がついているアテット形が一般的だが、王冠形、食パン型、円筒形もある。卵とバターをたっぷり使用している。地方により甘いもの、甘くないものとバリエーションが多い。砂糖を加えたパンの中ではフランス最古。フランス革命のきっかけになったエピソードもある。
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