経済グローバル化の中で、広域に流通させるため均質化され失われていった、野菜を見直す動きが出ている。気候風土に根ざし改良されてきた伝統野菜等のうち特色のあるものを取り上げる。(「イミダス2002年版」掲載。資料:良い食材を伝える会編「日本の地域食材’00」)
おけさ柿
新潟県佐渡地域、下越地域産。新潟県内で栽培されている「平核無(ひらたねなし)」と「刀根早生」の総称。最初に産地化した佐渡の羽茂町(現・佐渡市)でつけられたブランド名で、俗称「八珍柿」。平核無の原木は新津市(現・新潟市)古田に現存しており、樹齢は二百数十年以上。種子のない渋柿で、渋抜き後の肉質は柔らかくて多汁。生食用渋柿として第一級の品質を誇る。
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雪味(ゆきみ)にんじん、雪割(ゆきわり)にんじん
新潟県津南町、中里村(現・十日町市)産。秋に成熟したにんじんを収穫せずにそのまま積雪の下で越冬させ、春先に除雪しながら収穫する豪雪地域ならではの栽培方法。雪の下で貯蔵状態におかれるため、味がマイルドで甘く、にんじん特有の青臭さが少なく生食でもおいしい。サラダ、ジュースなどに最適である。
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大口れんこん
新潟県中之島町(現・長岡市)産。大正時代に同町大口地区で天然ガス田を開発した際、水田に水温の高い地下水が自噴し、これを利用したのが始まり。信濃川水系の豊富な地下水を使い、水田で栽培されている。収穫時期は8月~翌年5月。掘り取った後、水洗いして直ちに出荷される無漂白れんこん。白くてきめが細かく、アクもない。
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入善(にゅうぜん)ジャンボすいか
富山県入善町産。黒部川扇状地帯で栽培され、以前は「黒部すいか」と呼ばれていた。1株から1果しか収穫しない、ラグビーボール型の日本一大きなすいかで、長さ約40cm、直径30cm以上、重さ15~25kg。大きさに似合わず皮は薄く糖度も高い。わら編みのサンダワラに乗せ主に贈答用として出荷される。
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