アロマテラピー(芳香療法。フランスの化学者ガテフォセーが1928年に出版した本で初めて用いた)は、植物から抽出した精油(エッセンシャルオイル)とよぶ高濃度の香りのエキスを、嗅覚をとおし、また肌から吸収させて行う健康法。ヨーロッパでは民間療法として長い歴史がある。(「イミダス1998年版」掲載)
アンゼリカ
修道院によく生えるところからエンジェル草の名がある、中世ヨーロッパではよく使われた薬用植物。根を水蒸気蒸留する。濃厚で土くさい、スパイシーな重い香り。不安や精神的疲労を感じたとき、病気で衰弱したとき、元気づけ、前向きの気持ちにしてくれる。同時に体内の抵抗力を高め、血行をよくする作用ももつ。
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安息香
ベンゾインともいう。東南アジアに生育する安息香樹の樹脂を溶剤抽出して得る。甘く快い官能的な香り。香りの保留効果に優れ、香水の調合の際、ベースノート(長時間残る香り)として欠かすことができない。抗菌作用があり、せきやのどの炎症に吸入や香りランプで用いると効果がある。スキンケアにも最適。肌の老廃物を除去し、弾力を与える。
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イランイラン
マレー語で「花のなかの花」の意をもつ大きな黄白色の花の摘みたてを水蒸気蒸留する。むせるように強いフローラルな香りで、気分を高揚させ、官能を刺激する効果があり、うつ状態をほぐして明るい気分にする。ホルモンのバランスを整えるので、女性の生理前の諸症状に、風呂や香りランプ、マッサージで用いるとよい。
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オレンジスイート
オレンジの果皮を常温搾りして抽出。オレンジの木は、ほかに花からはネロリ、枝や葉からはプチグレンが得られる。この精油はぬくもりのある生き生きした甘いフルーティーな香りで、アロマテラピーの初心者にも使いやすい。ビタミンCとカロチンを多く含む。落ち込んだ気持ちを引き上げ、心身にエネルギーを与える。
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