アロマテラピー(芳香療法。フランスの化学者ガテフォセーが1928年に出版した本で初めて用いた)は、植物から抽出した精油(エッセンシャルオイル)とよぶ高濃度の香りのエキスを、嗅覚をとおし、また肌から吸収させて行う健康法。ヨーロッパでは民間療法として長い歴史がある。(「イミダス1998年版」掲載)
トンカビーンズ
幸せを呼ぶ豆としてドイツのクリスマス菓子シュトレンの香料にも使われる、アフリカや南米産の黒色のトンカ豆を細かく砕いて溶剤抽出。カラメルに似た温かく甘い、明るい情感のある香り。抑うつ作用があり、感情のいらだちを鎮め、落ち着かせて朗らかな気分にする。
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乳香
フランキンセンス、オリバナムともいう。古代エジプト以来、最も古くからある薫香の一つ。キリストの誕生時、三賢人が金と没薬(もつやく)と共に携えてベツレヘムに向かったという。樹脂を水蒸気蒸留して得る。スパイシーでウッディーな香り。瞑想や精神集中にルームフレグランスで用いるとよい。抗菌作用をもつ。昔から若返りのパック剤に混ぜた。肌を引き締め、しわをのばす。
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ネロリ
オレンジの花を水蒸気蒸留して得る。スイートオレンジの花のものはポルトガルネロリ、ビターオレンジの花はネロリ・ビガラーデ。後者の方が上質で貴重。張りと輝きを感じさせる甘いフローラルな香り。この香りを愛したシチリアのネロラ公国のアンナ・マリア王女にちなんで名付けられた。心身の緊張をほぐし気持ちを明るくする。肌の再生力も強める。
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パチュリー
アジアに生育するシソ科のかん木で、葉を乾燥させ、発酵させて水蒸気蒸留する。ウッディーでどことなくかび臭いスモーキーな香りで、衣料の防虫剤に使われる。官能的な香水に調合される、天然の保留剤。解毒作用をもち原産地のアジアでは虫やヘビに対する解毒剤だった。炎症や手あれにも外用する。熟成するほどに上質になるといわれる。
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