カタカナ語が多い園芸植物の名前も語源をたどれば覚えやすくなるだろう。(「イミダス1999年版」掲載・編集。参考:中村浩著『園芸植物名の由来』東京書籍)
カランコエ(kalanchoe)
ベンケイソウ科の多肉植物。ドイツで育種された園芸種の学名はカランコエ・ブロスフェルディアナ〔Kalanchoe blossfeldiana〕。カランコエの由来ははっきりしないが、ブロスフェルディアナは「ブロスフェルト商会の」という意味で、マダガスカル原産のものが、この商会で園芸種に改良されたことを示す。切り花用と鉢植え用がある。
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カンナ(canna)
鮮やかな朱色や黄色の花を開くカンナ科の球根植物。学名はカンナ・ゲネラリス〔Canna generalis〕。カンナとはラテン語でアシまたはアシ笛のこと、ゲネラリスとは「ふつうの」という意味。茎は中空ではないが、節間で切り取って中の茎をはずすと葉鞘が笛のように筒状になる。英語のcanal(運河、導管)やcannon(大砲)の語源でもある。
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カンパヌラ(campanula)
和名をフウリンソウというキキョウ科の植物。南ヨーロッパ原産で、学名はカンパヌラ・メディウム〔Campanula medium〕。カンパヌラとは「小さい鐘」を意味し、花の形を見立てたもの。メディウムは中間の意。原種の花は紫色だが、改良種には淡紫、ピンク、白などがある。花のつき方は下向きのものが多いが、上向きのものもある。
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グラジオラス(gladiolus)
南アフリカ原産のアヤメ科の植物。ラテン語の剣を意味するグラディウス(gladius)から出た言葉で、葉が剣状をしていることによる。世界中の多くの人々に愛され、なかでも花が大きく、色も豊かなグラジオラス・ヒブリドスは広く栽培されている。開花が早く多数の花をつけるグラジオラス・プリムリヌスとの交配種が人気。
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