カタカナ語が多い園芸植物の名前も語源をたどれば覚えやすくなるだろう。(「イミダス1999年版」掲載・編集。参考:中村浩著『園芸植物名の由来』東京書籍)
セントポーリア(saintpaulia)
イワタバコ科の多年草。学名セントポーリア・イオナンタ〔Saintpaulia ionantha〕。セントポーリアはこの草花をタンザニアで発見したドイツ人セントポール男爵に由来し、イオナンタとは「紫色の花」という意味。一重咲きの淡紫色の原種からさまざまな園芸種が生み出され、白やピンクの花のもの、八重咲きのものもある。
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タチアオイ
中国、シリアなどを原産地とするアオイ科の植物で、わが国にもかなり古い時代に渡来したらしい。学名はアルタエア・ロゼア〔Althaea rosea〕。アルタエアは「病気を治す」という意味で、同属のものに薬に用いられた植物があったため。ロゼアは「バラ色の」を表す。和名のアオイとは日を仰ぐということで、仰ぐ日がアホヒ、アオイとなったという。
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ダリア(dahlia)
正しくはダーリア。3万以上の品種があるといわれるキク科の植物。他のキク科の植物と花の仕組みはかなり違う。大形の舌状花と小形の管状花からなり、実を結ばないものも多い。18世紀のスウェーデンの植物学者ダールにちなむ名で、ヨーロッパに初めてこの花を紹介したスペインのカバニレス神父の命名という。
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チューリップ(tulip)
オランダで品種改良されたユリ科のシンプルな形の花で、原産地はイラン。数多くの園芸種があるが、原種は学名チューリパ・ゲスネリアーナ〔Tulipa Gesneriana〕。チューリパは回教徒のターバンの意味で、花の形がそれに似ているから。ゲスネリアーナは、ヨーロッパにチューリップを広めた植物学者ゲスナーの名を記念したもの。
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