カタカナ語が多い園芸植物の名前も語源をたどれば覚えやすくなるだろう。(「イミダス1999年版」掲載・編集。参考:中村浩著『園芸植物名の由来』東京書籍)
プリムラ(primula)
西洋種のサクラソウで、その一つにプリムラ・ポリアンサ〔Primula polyantha〕がある。プリムラはラテン語のプリマ(prima)に由来する。「最初の」という意味で春に先駆けて咲くところから。ポリアンサとはポリ(poly=数多い)とアンソス(anthos=花)の合成語で、たくさんの花の意味。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
フロックス(phlox)
約50種あるハナシノブ科の植物。園芸種として知られているものの一つにフロックス・パニキュラータ〔Phlox paniculata〕がある。フロックスとはギリシャ語で「炎」を、パニキュラータは「円錐形の花」を意味し、真っ赤に咲く花の様子からの連想らしい。和名のクサキョウチクトウ、オイランソウもその花や葉の色、形からついた名。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
ベゴニア(begonia)
オーストラリアを除く熱帯、亜熱帯に広く分布するシュウカイドウ科の植物。その種類は2000を超える。フランス人でサントドミンゴの総督を務め、植物愛好家としても知られたベゴンを記念した名前。主に葉を鑑賞する観葉ベゴニアと花を楽しむ花ベゴニアとがあり、1年中花を咲かせ続ける種もある。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
ペチュニア(petunia)
ナス科の一年草。原産地ブラジルの原住民が呼ぶペツンからくる名前。ペツンとはタバコのことで、この花が同じナス科のタバコの花に似ているからという。学名をペチュニア・ヒブリダ〔Petunia hybrida〕といい、ヒブリダは「雑種の」という意味。世界各地で品種改良が進み、英語では星型の花冠からスター・ジョイという。
◆その他のミニ知識はこちら!【園芸植物名の語源】