穀物や果実などを発酵・蒸留して造られる酒は、各地の文化や気候風土、嗜好などを反映し、長い歴史の中で洗練されてきた。世界各国の代表的な蒸留酒・醸造酒・リキュール(混成酒)の原料や製造法、味・香りの特徴などを紹介する。(「イミダス2001年版」掲載)
果酒(クアチュウ)
果実を醸造した中国の酒で、特にブドウとリンゴの醸造酒が多く造られている。その他、中国産のワインにキンモクセイを精製した香料を加えて熟成させた「桂花陳酒(クイホアチェンチュウ)」、アンズで造った「杏子酒(シンズーチュウ)」、ライチを用いた「茘枝酒(リーチチュウ)」などは日本でもおなじみとなっている。
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キュラソー
南米ベネズエラの沖にあるオランダ領キュラソー島産のオレンジの果皮を薄くそいで、ブランデーやスピリッツに漬けて造ったのが起源とされる。現在はフランス産が多く、無色透明のホワイト・キュラソーと深いこはく色のオレンジ・キュラソーに大別される。『コアントロー』と『グラン・マニエ』が、それぞれ代表的な銘柄。
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チェリー・ブランデー
蒸留酒にサクランボを漬け込んで造るリキュール。濃い赤色で、口当たりの良い甘みと優雅な香りを持つ。スピリッツにブランデーを使うことが多く、日本やイギリスではブランデーの名が付く。デンマークの『チェリー・ヒーリング』が代表的銘柄。「シンガポール・スリング」等のカクテル・ベースとしても有名。
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フランボワーズ
鮮やかな赤色とフレッシュな味わいを持つリキュール。フランボワーズとは木イチゴのことで、英名ラズベリー。フランス産のものが圧倒的に多い。カシス・リキュールを追って近年人気が上昇、注目されている。蒸留した無色の酒もあるが、需要は破砕した実をスピリッツに漬け込んで熟成した赤色の方に集中している。
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