紀元前6000年ごろから人々と共に歴史を歩んできたパン。日本へは紀元前200年ごろに小麦が伝来、その後空海により806年、蒸しパンが伝えられた。現在は材料も調理法も異なる、数えきれないほどのパンが存在する。ここではパンの名称、生まれた国、その特徴やエピソードなどを紹介する。(「イミダス2002年版」掲載)
カレリアン・ピーラッカ
フィンランド南東部でロシアと国境を接したカレリア地方のパン。ライ麦粉に小麦粉を混ぜた無発酵生地をのばし、米をミルクで煮たものを上にのせ、ふたをしないパイのように包み、船形にして焼く。ほのかに甘味と塩分が効いていて中はしっとり。朝食などに温めてサラダを添えたりする。
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ベーグル
アメリカ。表面につやがあるドーナツ形。もとはユダヤ系の人たちの食事パンで、低カロリーでダイエットに最適なのが受け、ニューヨークで定着した。小麦粉、塩、水などをイースト発酵させ、焼く前に熱湯にくぐらせることで、独特のもちもちした歯触りと表面のつやが出る。真横に切って、チーズやサーモンなどをはさむ。
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ホットドッグ・バンズ
アメリカ。細長い棒状の形。ドイツ系移民により伝えられたソーセージをはさんで食べられるようにと誕生した。小麦粉主体のため、はさみ込む具の風味が生かせる。アメリカの代表的な料理にハンバーガーもあるが、ホットドッグ・バンズがアメリカ生まれなのに対し、ハンバーガー・バンズはイギリス生まれ。
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トルティージャ
メキシコ。メキシコの主食。ゆでて乾燥させたとうもろこし粉を水で練り、薄い円形に伸ばして、鉄板で焼いたもの。小麦粉と混合もしくは小麦粉だけで作ることもある。とうもろこしの素朴な味が特徴。料理やスープと、またサルサや肉料理を包んで食べる。このパンに肉と野菜を炒めたものを包むと、タコスのできあがり。
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