現在承認されている星座は、1928年の国際天文学連合第3回総会の委員会で認められたもので総数は88。古代ギリシャから続くもの、大航海時代の船乗りにより新たにつくられたものなど、時代の変遷とともに星座の数も増してきた。そのうち代表的な52の星座を紹介する。星座の表記は理科年表による。(イミダス1998年版掲載)
てんびん座
晩春から夏にかけて、南の空に見える黄道星座。さそり座の西隣にあり、「く」の字を逆にしたような形が目印になる。古代にはさそり座の一部であったらしく、「南の爪」という名前の首星がその名残を伝えている。名前の由来は、ギリシャ神話で正義の女神アストレアが、人間の善悪を裁くために使った天秤からきている。
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とも座
冬から春にかけて、南の空の地平線近くに見える。この星座は、もともとギリシャ神話に登場するアルゴ船の形をした「アルゴ座」という星座の一部だったが、18世紀に天文学者ラカイユがアルゴ座を四つの星座に分けて現在の形になった。「とも」は船の船尾のこと。とも座はアルゴ船の船尾部分にあたり、北端にはM46、M47などの散開星団がある。
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はくちょう座
夏から秋にかけ天の川に浸る形で天頂近くに見える。大きな十字形は「北十字星」と呼ばれる。ゼウスが変身した白鳥の姿とされ、尾にあたる部分には白色の1等星デネブが輝き、わし座のアルタイル、こと座のベガとともに「夏の大三角形」を形づくる。見かけの二重星アルビレオのほか網状星雲、散光星雲、暗黒星雲など興味ある天体が多い。
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ふたご座
冬から春の宵に、南の空の高い位置に見える黄道星座。オリオン座の北にあり、大神ゼウスとスパルタ王妃レーダの間に生まれた双子の兄弟の姿をしている。仲良く並ぶ二つの1等星、カストルとポルックスが目印で、白色のカストルが兄星、オレンジ色のポルックスが弟星といわれる。また、一年中で最も太陽が北にくる夏至点がある。
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