食文化として根源的なところで日本との共通点も多いイタリア料理。有名でも本来の意味や伝来が意外に知られていない用語、ユニークな表現、代表的メニュー、調理法などを中心に、イタリア料理の基本を理解するためのミニキーワード集である。(「イミダス2003年版」掲載・改訂)
タベルナ
高級レストランはリストランテ、カジュアルで味中心のトラットリーア、立ち食いのタボラ・カルダ、ピッツアがあるピッツェリーア、ビアホール風のビレリーア、酒もコーヒーもあるバール。古い飯屋風のタベルナはいわば「本場イタメシ屋」で、手ごろな値段で土地の料理やパスタ名人の味に出会う楽しみもある。
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スパゲッティ
spago(細いひも)からの名称。本場では直径1.6~1.9mmの太さ、それより細いものはスパゲッティーニと呼ぶ。日本農林規格(JAS)では「1.2mm以上の太さ、または2.5mm未満の管状に成形されたもの」と定義、それより細いものをバーミセリー、帯状に成形したものをヌードルと規定している。
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マカロニ
ショートパスタの代表格。明治初期に英語macaroniの訳語で「穴あき饂飩(うどん)」と紹介されている。管状にすると乾燥しやすく調理の熱が速く均等に行きわたる効果がある。イタリア語maccheroniは必ずしもいい意味では使われない。日本では大正期にスパゲッティより先に国産化したものの、すぐには普及しなかった。
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マカロニグラタン
グラタンは、イタリアと国境を接する南フランスのサボア、ドーフィネ地方で鍋底のお焦げの美味を生かした郷土料理が全土に普及し、フランスの家庭料理になったもの。マカロニグラタンは、パスタを巧みに取り入れてパン粉とチーズで焦げ目を付けて、いわばピッツアに近接する「南フランスのおふくろの味」。
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