食文化として根源的なところで日本との共通点も多いイタリア料理。有名でも本来の意味や伝来が意外に知られていない用語、ユニークな表現、代表的メニュー、調理法などを中心に、イタリア料理の基本を理解するためのミニキーワード集である。(「イミダス2003年版」掲載・改訂)
スプマンテ
スパークリングワイン(発泡ぶどう酒)のことで、食前酒アペリティーボの代名詞になっている。そのワインに含まれる炭酸が口中の粘膜や胃壁を刺激してフルコース料理のいわば準備体操になる。正式な晩餐会でよく乾杯に用いるシャンパンは、正確にはフランスのシャンパーニュ地方の発泡ワイン。
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アンティパスト
前菜のこと。食前酒の次に出される。定番は生ハムや腸詰め類とメロンなど果物を組み合わせたもので、塩味と甘味のコンビが多い。各地に独特の腸詰めがあり、地方の個性が出る。野菜ではナスを角切りにして揚げたものやピーマンの詰め物など多種多様、貝を載せたガーリックトーストも前菜によく出る。
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「サルミの王様」
サルミは生ハムや腸詰めの総称で、イタリア語でハムといえば腿(もも)の部分。パルマ近郊で作られる逸品クラテッロは豚の尻肉の腸詰めで、これを「サルミの王様」という。使う塩の量を極力少なくして多湿な室で熟成させるには、腐敗を避ける高度の製造技術を要する。このため、流通量も限られて高価であり、味も上品で生ハムより格上とされる。
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プリーモ・ピアット
前菜の次に出される「第一の皿」の意。プリーモ・ピアットはパスタ料理が主流だが、米料理のリゾットや小麦粉にジャガイモ粉を混ぜたニョッキ、さらにズッパ、ミネストラなどスープ類が出ることもある。かつて日本で流布した「スパゲッティは前菜」説はむしろイタリア以外の国でパスタを冷遇した言辞にすぎない。
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