カタカナ語が多い園芸植物の名前も語源をたどれば覚えやすくなるだろう。(「イミダス1999年版」掲載・編集。参考:中村浩著『園芸植物名の由来』東京書籍)
スターチス(statice)
イソマツ科の植物。学名リモニウム・シヌアートム〔Limonium sinuatum〕。リモニウムはギリシャ語で「沼沢」を意味し、「強い波状の」という意味のシヌアートムは根ぎわの葉が深く波状に切れ込んでいることから。和名ハナハマサジは葉の形がさじに似たハマサジの一種で、美しい花をつけるから。ドライフラワーとしても人気。
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ストック(stock)
春に咲くアブラナ科の花で、ストック・ジリーフラワー(stock gillyflower)を簡略化した呼び名。ストックは茎、ジリーフラワーはアラセイトウのことで、茎の太いアラセイトウの意。学名マッチオラ・インカーナ〔Matthiola incana〕のマッチオラは16世紀イタリアの植物学者の名、インカーナは「灰白色の柔毛で覆われた」という意味。
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スノードロップ(snowdrop)
南ヨーロッパおよびコーカサス原産のヒガンバナ科の植物で、1月ごろ雪を破って咲く。春を待ち焦がれる北国の人々に愛されている花。ドロップはしずくという意味ではなく、女性の耳飾りを表す。学名はガラントス・ニヴァリス〔Galanthus nivalis〕。ガラントスは「乳色の花」、ニヴァリスは「雪のような」の意味。
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ゼラニウム(geranium)
フウロソウ科の多年草。ギリシャ語で鶴を表すゲラノス(geranos)から出た、ラテン語のゲラニウムの英語読み。突き立ったような細長い果実をツルのくちばしに見立てた呼び名。クレーンズ・ビル(cranes bill ツルのくちばし)ともいう。
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