主な婦人科系疾患について、症状や治療法など基本的なことをまとめました。それぞれの病名の下に主な症状を挙げているので、気になる症状があるところをチェックしてみましょう。〈監修:柴田綾子医師(産婦人科医)〉
【婦人科系疾患について、柴田綾子医師に注意すべき点などをうかがった「性知識イミダス:女性特有の病気①婦人科系疾患について知ろう~月経異常は婦人科疾患の危険サイン!我慢せずに早めの受診」もご覧ください】
【月経困難症、月経不順、過多月経、月経前症候群など月経関係の病気については「性知識イミダス:月経(生理)のお悩みQ&A」、性感染症については「性知識イミダス:性感染症の基礎知識」、女性生殖器については「性知識イミダス:女性の生殖器を知ろう」、性ホルモンについては「性知識イミダス:性ホルモンについて知ろう(基礎知識編)」をご覧ください】
子宮内膜症
【こんな悩みがある人は要注意!】月経回数に比例して強くなる月経痛/慢性的な下腹部痛や腰痛/性交時の下腹部痛/排便痛 など
特徴:月経のある女性の約10%が持っていると言われる慢性疾患。発症する時期は10代後半から閉経期までと幅広いが、特に30代前半の女性に多い。はっきりした原因はわからないが、子宮の内側にあるべき子宮内膜やそれに似た組織が、骨盤内のダグラス窩(か)(子宮と直腸の間にあるくぼみ)、卵巣、卵管、腹膜など子宮の内側以外のさまざまな場所で発生・増殖する。本来、排卵後に妊娠が成立しないと、厚くなった子宮内膜は剥がれ落ち、月経血として体外に排出される。これに対し、子宮内膜症では血液が体内にとどまり、炎症や周囲の組織との癒着を起こす。卵巣に発生した子宮内膜症は、特に「卵巣チョコレート嚢胞(のうほう)(卵巣チョコレート嚢腫〈のうしゅ〉)」と呼ばれる。これは、卵巣内にたまった血液が古くなるとチョコレート色になるためである。