「憲法ママカフェ」で子どもを守る大切な知識を学ぶ
竪十萌子(弁護士)
私自身も、子どもを産んだことで、政治や憲法に対する考え方、切実さが変わりました。
多くのママたちは、自分の命をかけてでも子どもを守りたいと思っているでしょう。子どもがどう育って、どう生きていってほしいか。それを真剣にママたちは日々考えていると思います。しかし、子どもたちがどう生きていくか、どういった教育を受けるかなどの、すべての土台となるのが政治なのです。どういった政治を選択するかで、子どもたちの生活や命のあり方が変わります。よって、真剣に子どものことを考えるママたちこそ、政治や憲法を真剣に考えて欲しいのです。そうやって出したママたちの答えは、私は、正しいのではないかと思っています。
憲法は、国家権力を縛り、私たちを守っている法律なので、憲法を改正するか否かは、子どもの生死、自由に関わる、本当に重要な問題です。16年夏には参議院議員選挙が行われ、憲法改正を問う国民投票が実施される可能性があります。私たちは、今、憲法や政治について、本気で考えなくてはいけない時にいます。
自由民主党の憲法改正草案は、党公式ホームページで公開されています。よく読めば、何が変わろうとしているのかが分かります。改正が終わってしまってから、テロに巻き込まれたり、戦争に駆り出されたりするようになって後悔しても手遅れです。私たちが政治に無関心であっても、政治と無関係ではいられないのです。
この点、「政治家は悪いことはしないはず」という意見も聞きます。70年の平和をもたらした、戦後政治に対する信頼という意味では素晴らしいです。けれど、それはあくまでも私たちの前の世代が政治に関心を持ち、監視していたからであり、健全な政治は、国民の強い関心と監視があってはじめて成立するものなのだと、強く意識してほしいと願っています。
政治に関心を持ち続けよう!
ママカフェを体験した後は、ほとんどのママたちが政治に関心を持ち、投票についても前向きになっています。
14年の衆議院議員総選挙のときには、投票はしたくても支持したい政党がない、自分が投票しても変わらないのでは、とよく言われました。
でも、ともかく政治に関心を持ち続けること、投票に行き、一票を入れ続けることが大切と伝えています。
また、ママカフェ後、ママたちからよく、「私たちは何ができますか? 何をしたらいいですか?」と聞かれます。私は投票以外にもできる、いくつかのステップを紹介しています。
まずは、「自分が政治に関心を持ち続けること」、これだけでも充分です。ステップ2が、「自分の身近な周りの人も政治への関心に巻き込むこと」、ステップ3が、「自分が企画する側になること」です。ステップ4が、「政治家に直接ファックスや電話や陳情などのコンタクトを取って自分の意思を伝えること」。ステップ5が、「自分がいいと思った政治家の選挙や活動にボランティアで協力すること」。私は、この政治に対してのボランティア活動がもっとママたちの中で自然に広がっていくと、ママたちと政治はとても近くなると思っています。そして最後のステップは、「自分が政治家になること」(笑)。
政治家は、人気や世論の動きに左右されます。よって、関心を持ち続けること、支持が目に見えるよう、行動に出ること。それだけで大きく時代は変わっていくのです。
大切に思う子どもたちがいる以上、私たちは日本の将来を諦めるわけにはいきません。
諦めずに、子どもを真に思うママたちが興味を持って政治に参加すれば、この日本は良い方向に進むと私は信じています。これからも憲法ママカフェを続けて、一人でも多くの人に知ってもらい、真剣に政治を考えるママ友が増えていくことを切に願っています。
著者情報
弁護士
竪十萌子
たて ともこ
1981年埼玉県生まれ。中央大学法科大学院卒。同大学院一期生の弁護士。埼玉弁護士会、埼玉中央法律事務所所属。女性や子ども、貧困、労働、刑事等、地域に密着した問題に精力的に取り組んでいる。弁護活動は、NNNドキュメントの「反貧困のオンナ」や、雑誌「女性自身」の中の「シリーズ人間」等、数多くのメディアに取り上げられている。