防災庁
イミダス編集部
国の防災対策において、事前防災から災害発生時の対応、復旧・復興までを一貫して担う司令塔となる機関。従来の内閣府防災担当を発展的に改組して、2026年11月2日に発足した。
省庁間の縦割りを排して権限や体制を強化することで、特に災害に備える事前防災を整備することを目指している。石破内閣で2024年10月に設置準備室を設けて検討を始め、それを高市内閣が引き継ぎ、2026年11月の発足に至った。
内閣総理大臣を長とし、事務を統括する防災大臣を置く。その構成は、省庁間の政策調整などを担う「総合政策部門」、大規模災害への対処や訓練などを担う「災害事態対処部門」、災害リスク評価や計画の立案・推進を担う「防災計画部門」、被災者支援体制の構築や防災教育などに当たる「地域防災部門」の4つの部門から成る。
内閣府の重要政策会議である中央防災会議も防災庁に移管される。また2028年7月までに、南海トラフ地震の被害予想地域などに2カ所以上の「防災局」を設置する予定である。防災関係の研修や研究を担う「防災大学校(仮)」の設置も検討されている。
地域ごとの災害リスク評価を通じて対策の問題点を明らかにし、必要な場合は、各省庁にその改善を求める勧告権を持つ。強制力はないが、勧告を受けた省庁には尊重義務を負わせている。
従来の内閣府防災担当は各省庁からの出向者で構成されていたが、防災庁では職員の採用を直接に行う。発足時の職員数は352人で、うち1割強の47人は、各都道府県から公募で選ばれた任期付公務員の「ふるさと防災職員」である。避難計画の進捗状況などについて各都道府県にヒアリングしたり、災害時には連絡員として現地に入って活動する。
また、これまでは被災自治体は案件ごとに所管官庁とやり取りしなくてはいけなかったが、今後は防災庁が「ワンストップ窓口」として自治体の相談を受ける。
防災庁発足当日、細野豪志防災相は今後起き得る南海トラフ巨大地震や首都直下地震に備える対策の推進を自治体や各省庁に求め、国民に対しても3日間から1週間分の水や食料の備蓄などを要請した。