DSA(アメリカ民主社会主義者)
イミダス編集部
「民主社会主義」を掲げるアメリカの政治活動団体のこと。社会主義フェミニストなどニューレフト(新左翼)の流れを汲む「ニュー・アメリカン・ムーブメント」(NAM)と、20世紀初頭に結成されたアメリカ社会党のようなオールドレフトの流れをくむ「民主社会主義組織委員会」(DSOC)が合流して、1982年に結成された。
小規模な集団だったが、2008年のリーマン・ショック後の2011年に広がった「オキュパイ・ウォールストリート」運動や2013年の「ブラック・ライブズ・マター(BLM)」運動を通じて注目されるようになり、DSAのメンバーであるバーニー・サンダース元バーリントン市長(1941年生まれ)が国民皆保険や大学の無償化、富裕税などを掲げて2016年の大統領選に立候補して若い世代から熱い支持を集めると、急速に拡大し始めた。
2018年の中間選挙でベテランの現職議員を破って史上最年少の女性下院議員となったAOCことアレクサンドリア・オカシオ=コルテス(1989年生まれ。当時29歳)もDSAのメンバーである。彼女はニューヨークのブロンクス出身で両親はプエルトリコ出身の移民。ウェイターやバーテンダーで生計を立てていた。
2025年11月に、ニューヨーク市長選に当選したゾーラン・マムダニ(1991年生まれ)もDSAのメンバーだ。マムダニはアフリカのウガンダで生まれ、インド系イスラム教徒の父とヒンドゥー教徒の母を持つ。市長選では市営バスや保育の無償化、家賃の凍結などを訴えた。
2016年に1万人だったDSAメンバーの数は、2026年には10万人まで拡大している。
DSAが主張する社会主義は、旧ソ連や中国、キューバなどのような一党独裁体制や産業の国有化を求めるものではない。資本主義経済のもとで、より公平な再分配を通して格差を是正しようというもので、ヨーロッパにおける社会民主主義に相当する。実際、参考にすべきモデルとして、カナダの国民医療保険制度やスウェーデンの福祉国家などを挙げている。看板政策と言うべき国民皆保険や大学教育の無償化などは、他国ではすでに実現しているものだ。
DSAを支えているのは1981~1996生まれのミレニアム世代、1997年以降に生まれたZ世代で、メンバーの平均年齢は30代。冷戦終結後に生まれ、社会主義という言葉への拒否感がない彼ら彼女らは、「ジェネレーション・レフト」などと呼ばれることもある。DSAへの支持拡大の背景にあるのは、格差と貧困の拡大である。