都立高入試英語スピーキングテスト「20点」の謎 〜配点も点数も全てが不可解
大内裕和(武蔵大学教授)
こうした見方に対して、「スピーキングテストは英語の調査書点とは関係なく、学力検査で『話す(speaking)』の問題が出されていないから、その点を補うものだ」という反論が来ることが予想されます。しかし、それならばなぜ、スピーキングテストの点数を英語の学力検査の中に含めず、調査書の「諸活動の記録」欄内に記載するのか? という疑問が生じます。
都立高校入試の英語の学力検査(100点満点)には、スピーキングテストの点数は含 まれません。完全に外付けの評価点です。受験生にとって、スピーキングテストの点数が調査書点と同様に、学力検査を受ける前の手持ちの点数となることは、少なくとも間違いありません。
調査書に記載される点数としても、学力検査の点数としてもうまく位置付かないスピーキングテストによって生じたアンバランスな状況。なぜ英語だけが他教科より大きい配点となるのか、そもそもなぜ20点なのか、これまで明確な説明は行われていません。都立高入試を実施する側は、この点について受験生や保護者、都民に納得のいく説明をすることが求められます。その説明がなければ、都立高の入試制度に対する信頼は大きく揺らぐこととなるでしょう。
ここまで述べてきたように、23年度の都立高校入試へのスピーキングテストの導入には、数多くの問題点があることが明らかです。これらの問題点を解決しないまま導入することには、反対せざるを得ません。これから都立高校を受験する生徒たちのために、公平かつ公正で、信頼できる入学試験が実現されることを心から願っています。