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コロナ禍「女性不況」2年目に寄せられた女性からの悲鳴

雨宮処凛(作家、活動家)

「夫がコロナ感染で死亡。年金10万円で病気がちなので、預貯金も近々尽きる。今後の生活が心配だが、持ち家なので生活保護は受給できないのでは?」(70代女性)

 これは声を大にして言いたいが、生活保護は持ち家があっても利用できる。具体的には、売却した場合の金額がだいたい2000万円以下(東京23区であれば2600万円以下)であれば、今の家に住み続けながら受けることができる。住宅ローンがあれば別だが、滞納していれば受けられる可能性もあるのでこちらも「首都圏生活保護支援法律家ネットワーク」などに相談してみるといいだろう。

 また、「車があると生活保護を受けられない」もよくある誤解で、通勤や通院に必要と認められれば持つことができる。持ち家も車も、一律ダメというわけでは決してない。

 さて、ここまでコロナ禍2年目で寄せられた相談を見てきたが、今、私が気になっているのは、コロナ禍でこの国の格差はさらに深刻になるのではないかということだ。

 独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査によると、コロナで生活水準が「低下した」と答えたのは24.5%。が、世帯年収別で見ると、年収300万円未満の場合、「低下した」と回答した人は35.1%なのに対し、700万円以上では17.5%。

 一方、過去3カ月の家計収支が「赤字」と答えたのは全体の27.3%だったのだが、ひとり親世帯では37.9%が赤字。フリーランスでは40.2%が赤字と回答している(日本経済新聞「コロナ『生活に影響』4人に1人 年収少ないほど打撃実感」、21年9月23日)。

 自分の周りを見渡しても、非正規のサービス業など年収が低く、感染リスクが高い層ほどコロナ禍で経済的打撃を受けている。一方で、年収が高いデスクワークの人たちはテレワークになったりと快適さを享受する一方で経済的打撃はなく、感染リスクも低い。

 そんなコロナ禍で炊き出しや食品配布の現場に行くと、リアルに「格差」を感じてめまいがする。400人ほどの老若男女が弁当をもらうため行列を作る吹きっさらしの公園のすぐ近くには、緊急事態宣言が開け、以前の活気を取り戻しつつある繁華街。イルミネーション瞬く中、華やかに着飾った人たちが楽しそうに歩いている。

 そんな光景を見ると、この20年ほどで、残酷なほどに開いた格差に愕然とする。気がつけば、日本社会は随分と格差に鈍感になり、人々は麻痺させられてきた。10年前に心を痛めたことに、もう心を痛めないという人が増えていないだろうか。

 そうして格差が容認される中、コロナ禍は間もなく3年目を迎える。

著者情報

作家、活動家

雨宮処凛

あまみや かりん

1975年、北海道生まれ。作家、活動家。反貧困ネットワーク世話人。バンギャル、右翼活動家を経て、2000年に自伝的エッセー『生き地獄天国』でデビュー。自身の経験から、若者の生きづらさについて著作を発表する傍ら、イラクや北朝鮮へ渡航を重ねる。その後、格差や貧困問題について取材、執筆、運動を続ける。『生きさせろ! 難民化する若者たち』でJCJ賞受賞。著書に『一億総貧困時代』『「女子」という呪い』など多数。

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