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連載

テレワーク 男は天国 女は地獄 〜コロナ禍、在宅の男女格差に思う

雨宮処凛(作家、活動家)

 第4波の現在、どうなっているかは不明だが、正社員や所得の高い人ほどテレワークができ、非正規や低所得の人ほどテレワークができないという格差はコロナ禍初期から歴然とある。

 コロナで浮き彫りとなった女性を取り巻く状況。

 報告書は、ひとり親世帯や単身女性も増える中、「女性の収入は家計の補助」という考えそのものを改めるべきと主張している。

 そうして最後の「政治分野への参画」という章には、なんとも痛快な文章があった。以下、引用だ。

〈これまで議員として政治に参画するためには、毎晩のように会合に参加し、地域の行事に出席せずして、地域コミュニティの中で密なつながりを築くことができない、という「慣習」が存在し、その慣習に従わないと議員になれないことが、そもそも女性が地方議員として活躍するためのハードルになっていた。それが今、コロナにより会合・行事自体が開催されずこの動きが半強制的に止まったことは、女性議員たちにとっては幸いな結果をもたらした〉

〈また、早期からコロナ下での独自の支援策を打ち出したところには、女性議員たちの活躍があった。さらに、昨今、「生理の貧困」の問題が顕在化しているが、これも女性議員たちからの問題提起によるものである。これらは、多様な視点が政策論議に入ることで、これまで見過ごされてきた問題にメスをいれることができた良い例である。こうした流れを、昭和の時代の男性中心の旧態依然とした慣行を見直して、ジェンダーに配慮した施策の実現を加速するとともに、女性による政治参画に拍車をかけるチャンスとしていく必要がある〉

 この文章が示すように、長らく政治は「おじさんの飲み会」なしでは進まないと思われていた。しかし、コロナによってそれができなくなった今こそ、そういった「飲み会政治」を変えていくチャンスなのかもしれない。そうして女性が政治の場に多く参加して初めて、女性の苦境に光が当たる。

 失業者や自殺者の増加など、散々なことばかりのコロナだけど、後から振り返って「あの時、コロナ禍がきっかけで女性に優しい社会になったよね」なんて言えたら、今の苦労も少しは報われる気がする。

 そうなったらどんなにいいだろう。そう思いつつ、報告書を閉じた。

著者情報

作家、活動家

雨宮処凛

あまみや かりん

1975年、北海道生まれ。作家、活動家。反貧困ネットワーク世話人。バンギャル、右翼活動家を経て、2000年に自伝的エッセー『生き地獄天国』でデビュー。自身の経験から、若者の生きづらさについて著作を発表する傍ら、イラクや北朝鮮へ渡航を重ねる。その後、格差や貧困問題について取材、執筆、運動を続ける。『生きさせろ! 難民化する若者たち』でJCJ賞受賞。著書に『一億総貧困時代』『「女子」という呪い』など多数。

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