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【和の心 暦と行事】三三九度

神無月(10月)

知っていますか? 日本の四季と暮らしが生んだ、暦やしきたりを紹介。

 陰暦10月は「神無月(かみなづき、かんなづき)」といわれる。日本全国各地の神々がこの月に出雲大社に集まるので、各地においては「神無月」となる。逆に、出雲は「神在月かみありづき」ということになり、陰暦10月11日から17日、出雲大社では神在祭が行われる。

 さて、年に1度、出雲に集合した神々は様々な相談事をするというのだが、その中の重要議題が出雲大社の祭神、大国主命おおくにぬしのみことを中心とした「縁結び」。出雲信仰の中心にあるテーマである。

 そうして結ばれた善男善女はやがて婚礼へと進むわけだが、夫婦の誓いを交わす儀式のシンボルが「三三九度」の盃さかづき。それは、教会式で言えば、指輪の交換に当たるだろう。

 「三三九」の数字的な意味合いからいえば、3も9も奇数の「陽」であり、まずめでたい。そして「三」は、天、地、人を示す数字で、めでたい。「九」は奇数=陽の数字の中で一番大きいもの、つまり最もめでたい、ということになる。

 盃ごととしては、大中小の盃が三つ重ねで用意されている。現在の神前式の要領に従えば、一番上の小の盃、つまり一の盃で新郎がまず「御神酒おみき」をいただく。次に同じく新婦。そして二の盃は新婦から新郎、最後の三の盃はまた新郎から新婦へ、という順で進められる。

 御神酒の進め方は、盃の一つに三献。これを新郎新婦は3度で飲む。このことを三つの盃ごとに、つまり3回取り交わすので、「三三九度」の盃ということである。この風習は、江戸時代から一般的になったといわれているが、そのころの婚礼の式、つまり結婚式は自宅で行うのが当たり前。神社や結婚式場で行うようになったのは、ここ百年ほどのことである。

2007/10/12

◆その他の暦と行事はこちら!【和の心 暦と行事】

著者情報

谷村鯛夢

たにむら たいむ

1949年生まれ。同志社大学文学部卒。「婦人画報」「25ansウエディング」「トランタン」などの女性誌の編集者、編集長、テレビコメンテーターを経て、現在、出版プロデューサー、コラムニスト。俳句集団「粗々会」同人、俳句誌「炎環」「馬酔木」会員。

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