「おまかせ民主主義」からの脱却
堀潤(ジャーナリスト、NPO法人「8bitNews」代表理事)
(構成・文/村山加津枝)
僕は1977年生まれですが、世代的に、バブル崩壊で価値観が根底から崩れ、それに翻弄される大人の姿を見て育ちました。だから、ただがむしゃらに頑張っても世の中は良くならないと感じています。感覚的には、ゆがんだり壊れたりしてしまったものや制度をどう再生するかという考え方をしています。我々よりもっと若い、アメリカの投資銀行リーマン・ブラザーズの破綻(2008年)が発端となったリーマン・ショックからの記憶しかないような世代では、そうした思いがさらに強いことでしょう。
昔のように一部の知識人階級が、いきなり「これを変えよう」と革命みたいなものを起こそうとしても、なかなかついていけない。それよりはジワジワと内側から浸食するように変化をしていくことが大事だと思います。
一人では世の中を変えられないし、夢は叶えられない。それでもネット社会では、同じ目標で結ばれる可能性が高い。仲間が一緒にやってくれたという経験は、非常に人生を豊かにしてくれると思います。そういう機会をもっともっと作っていきたいですね。
最後に、なぜ「おまかせ民主主義」から脱却すべきなのか、その理由を大好きな言葉をひいて伝えたいと思います。アメリカの計算学者のアラン・ケイ氏の言葉です。
「未来を予測する最善の術は、みずから創り出すことだ」
自分たちの望む未来は、誰かに作ってもらうのではなく、自分自身で創っていくものなのです。そう考える人が、一人でも増えていくことが大事です。
奇しくも、この記事のリリースは衆議院選挙の前々日になりました。
自分の意思で候補者を選ぶ。選挙に足を運び1票を投じる。そうした形で政治の当事者になることは「おまかせ民主主義」からの脱却の、第1歩です。
こういう方々が今後も増えていくことを目標に、僕はこれからもさまざまな活動を続けていきたいと思っています。
著者情報
ジャーナリスト、NPO法人「8bitNews」代表理事
堀潤
ほり じゅん
1977年兵庫県生まれ。立教大学文学部ドイツ文学科卒。2001年にNHK入局。「ニュースウォッチ9」「Bizスポ」などの報道番組を担当。12年6月、市民参加型動画ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げる。13年4月1日付でNHKを退局。17年4月、情報発信支援プロジェクト「GARDEN Journalism」を立ち上げる。現在は「モーニングCROSS」(TOKYO MX)、「JAM THE WORLD」(J-WAVE) ほかで活躍中。主な著書に、『変身 Metamorphosis メルトダウン後の世界』(2013年、角川書店)、『僕がメディアで伝えたいこと』(13年、講談社現代新書)、『僕らのニュースルーム革命』(13年、幻冬舎)がある。(2017.05)