9・19、日本は「戦争をする国」になった
小林節(慶應義塾大学名誉教授/弁護士)
私は1979年から2013年まで大学で法学部の教壇に立っていました。その間、政治に無関心の学生が多いことを嘆き、定年退職した際には、これが潮時と思いました。しかし、今回、学生グループ「SEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動)」の諸君をはじめ、自然発生的に若者たちが立ち上がり、政治に関心を持つのを見て、自分ができることをしなければと考えるようになりました。その一つは野党共闘を実現することです。
自民党の憲法研究会に30年間付き合うなかで、私はいつも良心に従って意見を述べてきました。共産党の機関紙「しんぶん赤旗」であっても、自分が納得すれば登場しました。そうしたことが功を奏し、野党の皆さんとも自由に話ができるポジションにいます。民主党の岡田克也代表、大学の教え子で党代表代行の長妻昭くん、維新の党の松野頼久代表や柿沢未途くん、社民党の福島瑞穂さん、共産党の志位委員長、生活の党の小沢一郎さんとも会って話をしました。自分が役に立てるのなら、どなたにでも会う用意はできています。
また、次の参議院選からは選挙年齢が18歳以上に引き下げられます。この公職選挙法改正案がすんなり通ったのは、自民党が自分たちに有利と踏んだからです。ですから、これだけ政治に関心を持ち、立憲主義や民主主義、憲法について考える若者が増えたことは大きな誤算に違いありません。
だからといって、野党が有利ということでもありません。彼ら若者たちは、党派ではなく、まともな政治をする人、つまり個人で選ぶと思います。若者に限らず、政治の不条理や政治家の不祥事が続き、政治不信に陥った選挙民の多くがそう考えていると思います。
そうした思いを真摯に受け止めて、野党は、選挙戦、そして安保関連法廃止への闘いを進めていかねばなりません。
著者情報
慶應義塾大学名誉教授/弁護士
小林節
こばやし せつ
1949年生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程修了。ハーバード大学客員研究員などを経て、89年~2014年まで慶大法学部教授。著書に『憲法守って国滅ぶ』(1992年、KKベストセラーズ)、『「憲法」改正と改悪』(2012年、時事通信出版局)など多数。共著に『自民党憲法改正草案にダメ出し食らわす!』(13年、伊藤真と共著、合同出版)、『安倍「壊憲」を撃つ』(15年、佐高信と共著、平凡社新書)ほか。
(2015.11)