希望から地獄へおちた新独立国家「南スーダン」
勝俣誠(明治学院大学国際平和研究所客員所員)
(構成・文/安田峰俊)
日本は12年から国連の南スーダン共和国ミッション(UNMISS)に対応しているが、地元勢力による見境のない襲撃も予想される南スーダンへの自衛隊員のPKO派遣は、現状においては極めて危険が大きいと考えられる。前述したように、現地の複雑な状況下において、現時点ではPKO活動を通じて現地情勢の安定化に寄与できる余地は少なく、派遣の意義にも疑問符が持たれる。
南スーダン内戦の和平に対して日本が果たせる役割があるとすれば、PKO部隊に対する支援にあえてこだわる必要はないと思われる。避難民や近隣諸国での南スーダン人難民を支援する信頼性のあるNGOを支援することは地道でかつ有効な国際平和貢献である。もしくは、同国内の複雑な権力マップを読み取れる有識者を起用し、上記の「名士・実力者による仲介」を側面的に支援していくことも意義がある。
アフリカの紛争問題は、国連をはじめとする外部の巨大な組織が上からの目線に立って改善を「指導」する形と当事者から思われないよう、周到な企画・運用が求められている。その介入の限界を見極めてアフリカ人自身によって解決する側面的支援をおこなうことでこそ、真の解決に近づけるのではないかと思えてならない。
著者情報
明治学院大学国際平和研究所客員所員
勝俣誠
かつまた まこと
1946年生まれ。早稲田大学政経学部卒。パリ第一大学大学院修了。開発経済学博士。ダカール大学客員教員、明治学院大学国際学部教授を経て現職。著書に『現代アフリカ入門』(1991年、岩波新書)、『グローバル化と人間の安全保障』(編著、2001年、日本経済評論社)『新・現代アフリカ入門』(2013年、岩波新書)ほか。