自画撮りはなぜ危険なのか?
藤原志帆子(人身取引被害者サポートセンターライトハウス代表)
昨今は自画撮り以外にも、性暴力の中で動画や写真を撮られるなどの被害が多くなってきています。それらは電子データになった段階で、世界中に拡散されていきます。被害者は誰にも見られたくない姿が、名前や学校名とともに広がっていくのです。一方で加害者にとっては、今のネット規制や法律ではこうした犯罪はローリスク・ハイリターンであり、「手軽でおいしい」という認識からどんどん助長されていきます。
日本では自画撮り要求、AVへの出演強要、援助交際・JKビジネスなど無防備な子どもを狙った性的搾取が急増しており、そうした犯罪に対する取り組みの甘さについても、海外ではしばしば報道され、国際機関などからも指摘されてきました。せめて2年後の東京オリンピックまでには、少なからず国際基準に近付けなければいけません。私はローリスク・ハイリターンな性的搾取が許される国など、決してあってはいけないと考えます。
そういう面でも、今回の自画撮り被害に照準を合わせた自治体の条例改正、警察庁による取り組みなどは有意義だと思います。しかしそれ以上に、私たち一人ひとりが無関心であることをやめ、今を生きる子どもたちが性暴力に遭わない社会を作るよう努力することが大切です。
著者情報
人身取引被害者サポートセンターライトハウス代表
藤原志帆子
ふじわら しほこ
1981年生まれ。98年にアメリカ合衆国のウィスコンシン州立大学に留学。在学中に人身取引問題について学び、卒業後は被害者支援団体ポラリスプロジェクト(本部・ワシントンD.C.)に勤務。2004年、日本事務所のNPO法人ポラリスプロジェクトジャパンを設立。14年からは団体名をライトハウスに改め、日本における人身取引被害の電話相談や救援、啓発や教育を目的とした講演活動等を行っている。