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社会問題

職場でのパワハラが法律違反になる?

進むパワハラ防止措置の義務付けに、どう対処すべきか

笹山尚人(弁護士)

(構成・文/木村礼子)

 法制化は、それ自体がパワハラ抑止効果を生みます。法律になったことが周知されれば、特に経営者側の「パワハラに配慮しなくてはならない」という意識が飛躍的に高まります。社員50人以上の企業に義務付けられている安全衛生委員会の議題にもなりやすくなるでしょう。法律がパワハラについて議論し検討する機会を生む、という効果を生むわけです。
 ただ、現場レベルにまでその意識が十分に浸透するかと言えば、そこは難しい。大切なのは、やはり、管理職に対するハラスメントについての研修を行うことでしょう。それも、自身の体験を語らせたり、ロールプレイを取り入れたりといった自ら考えさせる研修が必要だと思います。
 そして、「ばかやろー、何回言ったらわかるんだ!」といった暴言でしか部下を「指導」できない人たちの思考法を変えることです。右肩上がりに経済が成長していた時代であれば、会社のために一丸となって働くにはそうした叱責も必要だ、という思考法は許容されていたかもしれません。しかし、それは「過去の常識」なのです。
現代は様々な個性を持った人たちが自分なりの個性で生きていく、それが当たり前なんだという考え方が広がり始めています。自分の価値観をすべての人に当てはめようとする思考法や態度は、変えていかなくてはなりません。「ばかやろー」ではなく、この人にはどう言えば通じるか、と考えるべきです。そうした高度なコミュニケーション力が職場に求められる時代になった、ということだと思います。

著者情報

弁護士

笹山尚人

ささやま なおと

1970年北海道生まれ。弁護士。94年中央大学法学部卒業。2000年弁護士登録。第二東京弁護士会に所属。東京法律事務所に入所。主として、青年労働者や非正規雇用労働者の権利問題、労働事件や労働問題を扱って活動している。著書に『人が壊れてゆく職場』『それ、パワハラです』『ブラック職場』(以上、光文社新書)、『労働法はぼくらの味方!』『パワハラに負けない!』(共に、岩波ジュニア新書)、『ブラック企業によろしく』(KADOKAWA)等がある。

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