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“普通の日本人”のあいまいな不安 第2回 東西格差のもと、極右政党が躍進するドイツの「自国ファースト」

東京大学教授・板橋拓己さんに聞く

雨宮処凛(作家、活動家)

 選挙で訴えたのは、低所得者用の住宅問題や、インフレで値段が上がり続ける食料品や生活必需品の問題など。
「左翼党は、経済的な不安や格差が排外主義につながっているから、それを解決していこうというアプローチをしています」
 それだけではない。明確に「アンチ排外主義」を打ち出したことも支持を集める要因となった。
「情けないことに、今回の選挙でアンチ排外主義を明確に打ち出したのは左翼党だけだったんです。もともと緑の党も移民・難民はウェルカムという姿勢だったんですが、今回は移民の規制にかなり傾いた」
 そんな左翼党、若い世代の間では支持率1位を誇るという。しかも注目したいのは、特に若い女性の支持率が高いこと。
「こんなくっきり分かれるか、と思うくらいにジェンダー差があります。18歳から24歳までの男性の実に27%がAfD支持(女性は15%)で、逆に女性は35%が左翼党に入れている(男性は16%)」
 思えば韓国でも、尹錫悦(ユンソンニョル)政権(22~25年)を支持する「イデナム」(反フェミニズムの20代男性)と支持しない20代女性という「分断」が語られてきた。
 日本ではここまでのジェンダー差は見られないが、それ以外の部分では、今起きていることがドイツをはじめ、世界で起きていることの焼き直しだということがよくわかったのではないだろうか。
 ということで、こうしてドイツのみならず、ヨーロッパの現状から改めて日本を俯瞰してみると、多くのことが見えてくるはずだ。
 ロールモデルはまだない。しかし、不満の矛先を外国人に向けたところで誰も幸せになってないっぽい上、なにひとつ解決されていないということは、確かだ。

参考文献
板橋拓己「ドイツ 自由民主主義への内なる脅威」、『世界』2025年5月号(岩波書店)
「ポピュリズムの『争点乗っ取り』はドイツでも 欧州と日本、相違点も」朝日新聞2025年8月25日付
板橋拓己・作内由子「ドイツ・オランダに見る右翼ポピュリズム政党が躍進する社会の背景」、『公研』2025年10月号(公益産業研究調査ヨーロッパ・アメリカと日本、どう違うのか。

著者情報

作家、活動家

雨宮処凛

あまみや かりん

1975年、北海道生まれ。作家、活動家。反貧困ネットワーク世話人。バンギャル、右翼活動家を経て、2000年に自伝的エッセー『生き地獄天国』でデビュー。自身の経験から、若者の生きづらさについて著作を発表する傍ら、イラクや北朝鮮へ渡航を重ねる。その後、格差や貧困問題について取材、執筆、運動を続ける。『生きさせろ! 難民化する若者たち』でJCJ賞受賞。著書に『一億総貧困時代』『「女子」という呪い』など多数。

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