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連載

依存症は人間失格か?

雨宮処凛(作家、活動家)

 覚えておいてほしいのは、上岡さんの言うように、「助けて」と言っていいし、依存症は治療が必要な病気である、ということだ。今はなんの問題もなくても、いつか自らが、そして大切な人が、ある日突然、依存症の落とし穴にはまってしまうかもしれないのだから。
 私の周りでも、「適度な飲酒」から「病的な飲酒」に、突然移行してしまった人がいた。背景には、仕事のストレスやプライベートな問題などがあったようだ。しかし、その彼女のことを、周りの誰もが「強い」と思っていた。お酒にも強いし、精神的にも強い人。しかし、依存症の前にそんなものはまったくの無力だ。慌てて彼女を病院に連れて行き、今はいい状態を保っている。
 生きることは、時に辛く、苦しい。そして、何一つ依存先がない人なんて、一人もいない。逆に「適度な依存先」がたくさんある状態が、「健全な自立した状態」という意見もある。
 しかし、依存が度を超してしまったら、専門の病院や自助グループ、ダルク女性ハウスのような場所など、助けてくれる所はたくさんあるのだ。生きづらい世の中を生きる一人として、情報はたくさん持っているに越したことはないのだと、改めて、思った。

次回は6月4日(木)の予定です。

著者情報

作家、活動家

雨宮処凛

あまみや かりん

1975年、北海道生まれ。反貧困ネットワーク世話人。バンギャ、フリーター、右翼活動家などを経て2000年、自伝的エッセイ『生き地獄天国』(太田出版/ちくま文庫)でデビュー。2006年からは貧困問題に取り組み、『生きさせろ! 難民化する若者たち』(2007年、太田出版/ちくま文庫)は日本ジャーナリスト会議のJCJ賞を受賞。著書に『学校では教えてくれない生活保護』(‎河出書房新社、2023年)、『死なないノウハウ 独り身の「金欠」から「散骨」まで』(光文社新書、2024年)など多数。

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