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政治・経済

国家にとって生産性とは何か

人口という「量」ではなく、豊かさ住みやすさ技術力という「質」の向上を

五野井郁夫(政治学者/国際政治学者)

 それでも人口の再生産が鈍くなっていく先進国も多い。そのなかで描きうる国の姿とはいったいどういったものだろうか。
 かつて老子は小国寡民という国の姿を理想として掲げた。これをうけて劇作家の山崎正和は日本の将来像として、人口が1億ないし9000万人くらいの「寡民小国」を描いた。山崎が想定したのは、国民が安定してクリエイティブに個性的に暮らせる平和な国としての日本である。この人口の規模は、国交省が描いた2050年の日本の人口予測とも合致するものだ。
 こうした「豊かさ」を今後も実感し続けられる国づくりを進めていく上でまず必要なのは、人口をやみくもに増やすことが国家の生産性につながるといった、時代遅れの考え方から自由になることなのである。

著者情報

政治学者/国際政治学者

五野井郁夫

ごのい いくお

高千穂大学経営学部教授。1979年、東京都生まれ。上智大学法学部卒業、東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻博士課程修了(学術博士)。日本学術振興会特別研究員、立教大学法学部助教を経て現職。専門は政治学・国際関係論。著書に『「デモ」とは何か――変貌する直接民主主義』(NHKブックス、2012年)、共編著に『リベラル再起動のために』(毎日新聞出版、2016年)など。

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