日本に逃れてきた難民の人権を守れ!
樫田秀樹(ジャーナリスト)
難民は毎年世界のあちこちで発生している。アフガニスタン難民、イラク難民、シリア難民、ロヒンギャ難民等々。そのつど、心ある人たちは、あちこちで募金運動をしたり、服や日用品を送る運動を展開したりしている。
だが、自分たちのすぐ足元に住む難民(申請者を含む)にはあまりにも関心が低いのが事実だ。彼らの中にはいわゆる偽難民もいるかもしれない。母国への送還も私は否定しない。だが、正当な基準もなく、家族にも会わせず、外出の自由も認めず、医療からも遠ざけているのは人権問題に他ならない。じつは国民の一定数も「偽難民は来るな」との意識を有しているのかもしれない。だが考えるべきはそこなのだろうか?
私事だが、私はかつてアフリカのソマリアの難民キャンプで2年間活動していたことがあるが、そこには食料配給を目当ての偽難民も一定数いた。私たちは彼らを追い出すことに力を割かなかった。今目の前で困っている人たちに可能な限りの支援をすることに力を割いていたからだ。
偽難民であろうが、観光ビザであろうが、日本に住みたい人はどんな手を使っても来る。彼らの排除よりも、いかにして、母国に帰れば迫害を受けるであろう人たちを庇護してその生活を保障するのか。まずそれを考え、その実現にこそエネルギーを割くべきだと私は考える。
とはいえ、国民の一定数に「偽難民は来るな」との意識があることも事実。しかしながらそれは、難民が置かれている環境やその実情を知らないことが大きな背景としてあるだろう。私も含めたメディアの役割が問われている。
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著者情報
ジャーナリスト
樫田秀樹
かしだ ひでき
1959年、北海道生まれ。岩手大学卒業。コンピュータ関連企業勤務を経て、NGOスタッフとしてアフリカでの難民キャンプで活動後、フリーのジャーナリストに。取材で国内やアジア各地に赴く。各誌に環境問題、社会問題、市民運動、人物ルポなどを寄稿。
著書に『リニア新幹線が不可能な7つの理由』(岩波ブックレット、2017年)、『〈増補〉“悪夢の超特急”リニア中央新幹線――建設中止を求めて訴訟へ』(旬報社、2016年)、『自爆営業――その恐るべき実態と対策』(ポプラ新書、2014年)、『世界から貧しさをなくす30の方法』(共同編集、合同出版、2006年)など。