トランプ政権誕生で日米関係をどう変えるのか 後編
マーティン・ファクラー(ジャーナリスト)
猿田佐世(新外交イニシアティブ代表)
(構成・文/川喜田研)
ファクラー 猿田さんも指摘されていたように、日本では政治家もメディアも、戦後にできた既得権益を一生懸命守ろうとして、全ての変化を畏れている。だから、だんだん矛盾が多くなって、ハッキリと見えてきたにもかかわらず、誰もそれを変えようとしていない。以前、民主党政権ができた時にも、そのチャンスはあった。そして、3.11の後にも、メディアを含めて、そうした動きがあったのに、結局は潰されてしまった。
結局、社会に余裕がないから、その後は同調主義が強まって「目立たない」とか「リスクを避ける」とかいう傾向だけが強まっているように感じます。そこにきて「トランプ大統領の誕生」というのは、日本が自立を考えるためのチャンスだと思う。この先4年間、トランプ政権のアメリカがどうなるのか、正直、誰にも分からないわけですからね……。
猿田 そうですね、何が起きるか分からない……というのは、自分で「考える」ことのきっかけになります。私たち「新外交イニシアティブ」でも、沖縄の基地問題や、日米地位協定、日米原子力協定の満期到来など、日米外交の重要なテーマに対して、具体的な政策提言を行うことで、そうした議論を活性化できたらと考えています。
著者情報
ジャーナリスト
マーティン・ファクラー
まーてぃん・ふぁくらー
1966年、アメリカのアイオワ州出身。ダートマス大学卒業後、東京大学大学院に留学。帰国後、イリノイ大学でジャーナリズムの修士号、カリフォルニア大学バークレー校で歴史学の修士号を取得。96年からブルームバーグ東京支局、AP通信社上海支局長、ウォール・ストリート・ジャーナル東京支局、ニューヨーク・タイムズ東京支局などを経て、2009年から15年までニューヨーク・タイムズ東京支局長を務めた。現在、一般社団法人日本再建イニシアティブの主任研究員兼ジャーナリスト。著書に『安倍政権にひれ伏す日本のメディア』(双葉社、2016年)、『「本当のこと」を伝えない日本の新聞』(双葉新書、2012年)がある。
新外交イニシアティブ代表
猿田佐世
さるた さよ
1977年生まれ。早稲田大学法学部卒業。国際人道支援NGO活動などを経て、2002年に弁護士登録。08年、米コロンビア大学ロースクールにて法学修士号取得。09年、ニューヨーク州弁護士登録。12年アメリカン大学国際関係学部にて国際政治・国際紛争解決学修士号取得。著書に『新しい日米外交を切り拓く 沖縄・安保・原発・TPP、多様な声をワシントンへ』(集英社クリエイティブ、2016年)などがある。