ひきこもるおとなたちと「自己有用感」
香山リカ(医師)
ところが、私たちがそういう考えを受け入れられず、「お金を稼いではじめて仕事。はじめて社会貢献」という考えにとらわれている現状の中で、さまざまな理由でひきこもりの状態が続く人たちは、今日も「俺の人生は何なんだ」と呻吟し、怒り、絶望している。彼らも私たちも、「仕事がすべて。お金がすべて」というプレッシャーが高まる“圧力なべ”の中で生きているようなものなのだ。それは、ひきこもりの人にとってだけではなく、私たち誰にとっても、とても生きづらい社会といえるのではないだろうか。まず、そのことを考えてみたい。