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連載

癒されたがる男たち

雨宮処凛(作家、活動家)

 ただ女性への「癒し」など、あの時期のあの場所には欠片も存在しなかったように思えるのに対して、男性の欲望へのケアは産業としていち早く成立していたという事実に、何だかものすごくもやもやしてしまうのだ。なぜならその欲望のケアに、女性は不可欠な存在だから。

 日本は世界で最も男性向けの性的サービスが充実している国である。しかも性欲だけでなく、人肌が恋しいとか、精神的に追い詰められているとか、「誰かに触れてもらうことで自分の存在が許されていると信じたかった」とか、そんな時に「手軽」に利用できるものである。翻って、女性にそんな場があるかというと、私は思い当たらない。

 別にそういうものを「作れ」とか「欲しい」と言ってるわけではない。ただ、ここにもまた非対称性が潜んでいるということを再確認しているのだ。

 そして、そんなふうに男性が優遇されているように見える社会だが、この国で最も自殺者数が多いのは中高年男性でもあるというのもまた、事実なのである。

 そう思うと、日本ってやっぱり、いろいろと変な国だ。

 

次回は4月4日(水)の予定です。

 

雨宮処凛の最新刊『「女子」という呪い』(集英社クリエイティブ)4月5日発売

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著者情報

作家、活動家

雨宮処凛

あまみや かりん

1975年、北海道生まれ。作家、活動家。反貧困ネットワーク世話人。バンギャル、右翼活動家を経て、2000年に自伝的エッセー『生き地獄天国』でデビュー。自身の経験から、若者の生きづらさについて著作を発表する傍ら、イラクや北朝鮮へ渡航を重ねる。その後、格差や貧困問題について取材、執筆、運動を続ける。『生きさせろ! 難民化する若者たち』でJCJ賞受賞。著書に『一億総貧困時代』『「女子」という呪い』など多数。

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