imidas - 情報・知識&オピニオン

連載

男の不機嫌と「ママ」

雨宮処凛(作家、活動家)

「不機嫌になれば要望が通るし、プライドが保てるし、相手が自分に合わせてくれる。そのため問題と向き合わずに済み、体裁を取り繕うためのコストもかからない――。そういう都合のいいことを経験的に知っているため、『なんかムカつく』『なんか不満』『なんかイライラする』といった“言語化できないネガティブな感情”に陥ったとき、男性は不機嫌になるという便利な手段を多用するのです。これは赤ちゃんが、お腹が空いたときやおむつが汚れているときに泣いて訴えるのと似ています」

 そうか、赤ちゃんだったのか。だから「ママ」が必要だったのか。

 一部の年輩男性が「ママ」を必要とする一方で、この国では低賃金などの理由から「若者の酒離れ」が進んでいる。特にチャージなどを取られるスナックなんかは敷居が高いだろう。お金がなくて酒離れというのは寂しいことだが、「飲みニケーション」から解放された若い世代がどんな感覚を身につけていくのか。そこは楽しみなところでもある。

 

次回は8月1日(水)の予定です。

著者情報

作家、活動家

雨宮処凛

あまみや かりん

1975年、北海道生まれ。作家、活動家。反貧困ネットワーク世話人。バンギャル、右翼活動家を経て、2000年に自伝的エッセー『生き地獄天国』でデビュー。自身の経験から、若者の生きづらさについて著作を発表する傍ら、イラクや北朝鮮へ渡航を重ねる。その後、格差や貧困問題について取材、執筆、運動を続ける。『生きさせろ! 難民化する若者たち』でJCJ賞受賞。著書に『一億総貧困時代』『「女子」という呪い』など多数。

関連記事

新着記事

imidasの更新情報をお届けします。