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連載

男の不機嫌と「ママ」

雨宮処凛(作家、活動家)

「不機嫌になれば要望が通るし、プライドが保てるし、相手が自分に合わせてくれる。そのため問題と向き合わずに済み、体裁を取り繕うためのコストもかからない――。そういう都合のいいことを経験的に知っているため、『なんかムカつく』『なんか不満』『なんかイライラする』といった“言語化できないネガティブな感情”に陥ったとき、男性は不機嫌になるという便利な手段を多用するのです。これは赤ちゃんが、お腹が空いたときやおむつが汚れているときに泣いて訴えるのと似ています」

 そうか、赤ちゃんだったのか。だから「ママ」が必要だったのか。

 一部の年輩男性が「ママ」を必要とする一方で、この国では低賃金などの理由から「若者の酒離れ」が進んでいる。特にチャージなどを取られるスナックなんかは敷居が高いだろう。お金がなくて酒離れというのは寂しいことだが、「飲みニケーション」から解放された若い世代がどんな感覚を身につけていくのか。そこは楽しみなところでもある。

 

次回は8月1日(水)の予定です。

著者情報

作家、活動家

雨宮処凛

あまみや かりん

1975年、北海道生まれ。反貧困ネットワーク世話人。バンギャ、フリーター、右翼活動家などを経て2000年、自伝的エッセイ『生き地獄天国』(太田出版/ちくま文庫)でデビュー。2006年からは貧困問題に取り組み、『生きさせろ! 難民化する若者たち』(2007年、太田出版/ちくま文庫)は日本ジャーナリスト会議のJCJ賞を受賞。著書に『学校では教えてくれない生活保護』(‎河出書房新社、2023年)、『死なないノウハウ 独り身の「金欠」から「散骨」まで』(光文社新書、2024年)など多数。

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