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連載

ある大女優の最期から考えた、独り身の我が老後

雨宮処凛(作家、活動家)

母子家庭で育ち、母も他界し誰も頼れる人もいない。今の生活もギリギリで数年先の生活がどうなるかさえ想像できない。自死したいと時々思う事さえある。余りにも格差があり過ぎて、社会から取り残されていると思えてならない。社会そのものが敵に思えることもある。こんな国に何で産まれて生きなくてはならないのか?―と思う毎日。(50代 独身 非正規職員)

病気やケガなど体が動かなくなったとき、どうすればいいのかわからない。支援があるのかもしれないが、身近に情報がない。自分の死体の始末の仕方もわからない。人に迷惑はかけたくないので、できれば自分の意思のあるうちに、苦しまず確実に自分の始末をつけられる方策が欲しい。安楽死って、ダメですか?(40代 独身 非正規職員)

贅沢がしたいとは思わないけれど、美味しいものを食べに行きたいし、趣味にも少しばかりのお金を使いたい。苦しんでいる人がいればささやかながらも寄付もしたい。2年前、幡ヶ谷のバス停で殴打され亡くなった大林三佐子さんは、未来の私かもとの思いが常にあります。このような不安が払拭される世の中になってくれたらどんなによいかと思います。(60代 離婚 自営・フリーランス)

 子どもがいる女性たちの声も切実だ。

正社員で保険営業をしていましたが、コロナ禍心身限界で今年1月退職。失業保険をいただきながら、パート事務職を見つけ、働き始めてすぐ長女が感染、下の子の保育園も学級閉鎖になり、長期で休まなくてはならず、2週間働けないと時給で暮らす私達の経済は、飢えるほど苦しくなります。後半は保育園児お留守番させて働きに出ました。そうするしか無いのです。今月とうとう家賃をはじめて滞納してしまいました。都民住宅JKKですが、7万するので非常に厳しいです。(40代 離婚 非正規職員)

今生きるために働いているので将来の貯えがなく、子ども達が自立したら迷惑をかけないように早く死ぬしかないと思っている。(40代 離婚 非正規職員)

 さて、ここまで女性たちの声を読んできたあなたに、ある数字を紹介したい。

 それはこの国の75歳以上の女性の貧困率。

 子どもの貧困率は13.5%で「7人に1人の子どもが貧困」と言われるが、後期高齢者女性の貧困率はその約2倍の26%。実に4人に1人が貧困状態なのだ。また、65歳以上の一人暮らしの女性に絞ると、貧困率は46.1%と2人に1人。

 が、この数字は私たちロスジェネが65歳以上になる時期には、もっと上がっているだろう。何しろ年金には期待できないし、そもそも年金保険料など払う余裕がない層が膨大にいる。ちなみにきっちり国民年金保険料を払い続けている私だが、最近、月にもらえる年金額は4万円ちょっとという通知が来て「見なかった」ことにした。

 ということで、著名な女性の最期を知ったことから生まれた新たな不安。

 これを乗り越えるために、私たちロスジェネ女性には何ができるだろう。

 準備する時間はまだある。というか、そもそも「老後」まで生きられるのかという不安もあるが、今から考えておくべき課題のひとつであることは間違いない。

著者情報

作家、活動家

雨宮処凛

あまみや かりん

1975年、北海道生まれ。作家、活動家。反貧困ネットワーク世話人。バンギャル、右翼活動家を経て、2000年に自伝的エッセー『生き地獄天国』でデビュー。自身の経験から、若者の生きづらさについて著作を発表する傍ら、イラクや北朝鮮へ渡航を重ねる。その後、格差や貧困問題について取材、執筆、運動を続ける。『生きさせろ! 難民化する若者たち』でJCJ賞受賞。著書に『一億総貧困時代』『「女子」という呪い』など多数。

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