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連載

辺野古ゲート前でごぼう抜きされる

"ここがおかしい"

仁藤夢乃(社会活動家)

「思ってたよりひどかった。メディアでも全然報道されていないし、『問題ないです』などいいところしか出てこないから現状を知らなかった。もっとみんなが真剣にこの問題を考えないといけないと思った」

「土砂を運ぶ仕事をしている人や警備員、機動隊員の中には、あのような仕事を好きでやっているわけでない人もいるだろうし、2兆円以上のお金を使って無駄なことをしている。そんなお金があるなら基地を作ることではなく、Colaboみたいな支援団体に使うとか、そういう考えで世の中を良くしてほしい。基地を作って良くなると思っているから、ああいうことをするのかもしれないけど、みんなにとっていいことをしてほしい」

「学校の修学旅行で沖縄に行ったけど、今起きてる沖縄の問題は知らなかった。基地問題はなんとなく知っていたけど、こんなひどい状況とは知らなかった。沖縄で戦争の歴史を学ぶことは大事だけど、それ以外にも今の米軍基地の問題も、全国の学校で学習として取り入れて合宿とかしてほしい」

「何がひどいと思った?」という質問には、「何の得もないのに、両方の国の偉い人たちの自己満にしか思えないし、国民が訴えているのに何年も変わってないのがひどいと思った」と話した。私自身も初めて機動隊に排除される経験をし、権力が間違った使われ方をしていることを今まで以上に実感した。

 一緒に辺野古に行った女の子たちは、この後、沖縄の海で遊んでいる時も、東京に帰ってきてからも、辺野古で起きていること、沖縄が抱えさせられている問題に対して、自分たちができることを考え続けている。

自分事として捉え、考え、行動できる人に

 辺野古訪問の報告を私のFacebookとTwitterに投稿したところ、Twitterには3000件以上のリプライがあり、ほとんどが匿名の攻撃や中傷で、実名登録のFacebookとは全く違う反応だった。女の子たちはその現状にも目を向けていて、「ネットでアンチしてる人たちも自分の目で見てみたらいいのに。そうしたら変わるんじゃない?」と言っている。

 自分が見たこと、聞いたこと、体験したことから分からないことを質問し、いろいろな意見や立場、ネットでの攻撃的なカキコミがある中で、自分はどう考えるのかを議論して、自分の頭で考えて、自分の言葉で発信する。一つひとつを、誰から言われたわけでもなく自分たちでやっている。友達に伝えてみたり、SNSで発信してみたりして、友達から「でも、仕方なくない?」「私たちに変えられることじゃないっしょ」と言われたり、関心を持ってもらえなかったりして、その反応を踏まえて、もっとできることはないか、自分事として考えてもらうにはどうしたらいいのかを考え、議論し続けている。私も、一緒にできることを考え、やれることから実践していくつもりだ。

 Colaboとつながるのは、虐待や性暴力・性的搾取被害など、さまざまな暴力の被害に遭ってきた少女たちだが、背景には多くの市民の無理解や、誰かの犠牲の上に自分の生活や幸せが成り立つことをよしとする社会/考え方がある。彼女たちが抗議に参加する様子に、沖縄の問題は「私たちの問題だ」と直感的に感じたのではないかと思った。

 彼女たちのように、さまざまな社会の問題について、自分事として捉え、痛みを分かち合い、考え、行動できる人が、今の日本社会にどれだけいるだろう。そんな人でありたい、と彼女たちを見ていて私は強く思った。

著者情報

社会活動家

仁藤夢乃

にとう ゆめの

1989年生まれ。中高時代に街をさまよう生活を送った経験から、10代女性を支える活動を行っている。これまでに夜の街でのアウトリーチ、シェルターでの保護や宿泊支援、シェアハウスでの住まいの提供といった活動を展開。第30期東京都「青少年問題協議会」委員。厚生労働省「困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会」構成員を務めた。TBS「サンデーモーニング」にコメンテーターとして出演中。著書に『難民高校生』(英治出版)、『女子高生の裏社会』(光文社新書)。

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