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連載

コロナ禍で戸惑う居場所のない少女たち

“ここがおかしい”

仁藤夢乃(社会活動家)

 新型コロナ関連以外の支援も続いている。Colaboと繋がる少女たちの多くは学校もあまり行けておらず最終学歴は中卒か高校中退だが、先ごろ初めて大学や専門学校に通うメンバーが出た。そうした中で彼女らが奨学金を申請したところ、児童福祉施設で保護されていない18歳までの人は保護者がいるとみなされ、親との同居や支援がない状況でも「独立生計者」として認められないとわかった。

 この問題も私たちが提起したことで国会で取り上げられ、虐待から逃れて自身で生計を立てている人も「独立生計者」として認められ、給付型の奨学金や無利子の奨学金を申請できるようになった。文部科学省の説明では、大学が本人から聞き取りなどを行い、虐待の事実を確認できれば第三者からの事情書は必要ない。しかし、これについても大学側が「本当に暴力を受けているかわからない」「証拠がない」と、奨学金申請を諦めさせようとするケースが複数起きている。大学には学生を守ることを第一に考え、事情書を必要とする場合でも学内のカウンセラーなどへの相談でOKとするなど、被害を受けた学生への負担を軽減するべきだ。

 このことを知った大学関係者や支援者等から「同じ状況の学生がいるが、どうしたらよいか?」との問い合わせもあった。Colaboで暮らしながら進学したメンバーが、悔し涙を流しながらも諦めずに声を上げ道を切り開いてくれたのだ。

 やっとの思いで虐待から逃れた学生が、親に住所を隠す公的な手続きもして生活を始めていると何度も大学に伝えていたのに、事務局から「奨学金の書類は保護者宛に送るルールだ」と言われたり、新しい住所の入った書類を実家に送られてしまったケースもあった。そこには彼女の保証人となった私の名前や自宅の住所も書かれていた。これに抗議をするため、私たちは弁護士に高い費用を支払い、大学へ内容証明を送ることになった。すべての学校は、親から逃げざるを得ない学生に対して、親から問い合わせがあっても居場所や住まいを教えないなど、被害者を守るためのルールを整備するべきだ。

 日々の活動が煩雑になる中で、こうした問題を一つひとつ丁寧に言葉にすることができていなかったが、今後はまた日々直面する「ここがおかしい」問題を言葉にし、みなさんと共に考えていきたい。

 

Colaboでは一緒に支援活動をしてくださるスタッフを募集しています。

詳しくはホームページをご覧ください。

著者情報

社会活動家

仁藤夢乃

にとう ゆめの

1989年生まれ。中高時代に街をさまよう生活を送った経験から、10代女性を支える活動を行っている。これまでに夜の街でのアウトリーチ、シェルターでの保護や宿泊支援、シェアハウスでの住まいの提供といった活動を展開。第30期東京都「青少年問題協議会」委員。厚生労働省「困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会」構成員を務めた。TBS「サンデーモーニング」にコメンテーターとして出演中。著書に『難民高校生』(英治出版)、『女子高生の裏社会』(光文社新書)。

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