第23回 伊勢崎賢治「戦場のリアル」
伊勢崎賢治(東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授)
(構成・文/仲藤里美)
北朝鮮を崩壊させて占領統治するということは、シミュレーションすればするほどリスクが高く、現実性がないというのが全体の雰囲気でした。少なくとも軍関係者においては、そうした意識がすでに共有されているのです。
繰り返しになりますが、現代の戦争とは、政権が倒れた後の「占領統治」から始まります。そしてその戦争に、アメリカをはじめとする国際社会はこれまでずっと負け続けてきました。アフガニスタンしかり、イラクしかり……それでも今なお、我々は現地に傀儡政権をつくり、長引く駐留の中でできる限り「失敗」を避けながらなんとか出口政策を探すという、これまでと同じ手法しか見いだしていません。
そのことが分かっていながら、今後また新たな「現代の戦争」──占領統治に乗り出す余裕が、果たして今の国際社会に、そして日本を含む各国にあるのでしょうか。そう、皆さんにも問いかけたいと思います。