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第23回 伊勢崎賢治「戦場のリアル」

「現代の戦争で勝つ」とはどういうことか

伊勢崎賢治(東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授)

(構成・文/仲藤里美)

 北朝鮮を崩壊させて占領統治するということは、シミュレーションすればするほどリスクが高く、現実性がないというのが全体の雰囲気でした。少なくとも軍関係者においては、そうした意識がすでに共有されているのです。

 繰り返しになりますが、現代の戦争とは、政権が倒れた後の「占領統治」から始まります。そしてその戦争に、アメリカをはじめとする国際社会はこれまでずっと負け続けてきました。アフガニスタンしかり、イラクしかり……それでも今なお、我々は現地に傀儡政権をつくり、長引く駐留の中でできる限り「失敗」を避けながらなんとか出口政策を探すという、これまでと同じ手法しか見いだしていません。

 そのことが分かっていながら、今後また新たな「現代の戦争」──占領統治に乗り出す余裕が、果たして今の国際社会に、そして日本を含む各国にあるのでしょうか。そう、皆さんにも問いかけたいと思います。

 

著者情報

東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授

伊勢崎賢治

いせざき けんじ

1957年、東京都生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科修士課程修了。インドに留学中、現地スラム住民の居住権をめぐる運動に関わる。国際NGOで10年間、アフリカの開発援助に従事。2000年より国連PKOの幹部として、東ティモールで暫定行政府の県知事を務め、2001年よりシエラレオネで国連派遣団の武装解除部長。2003年からは、日本政府特別代表としてアフガニスタンの武装解除を担った。現在、東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授。著書に『武装解除 紛争屋が見た世界』(講談社現代新書、2004年)、『本当の戦争の話をしよう 世界の「対立」を仕切る』(朝日出版社、2015年)など。共著に『主権なき平和国家 地位協定の国際比較からみる日本の姿』(集英社クリエイティブ、2017年)など。イミダスの連載「伊勢崎賢治・布施祐仁に聞く『日米地位協定と主権なき日本』」はこちら!

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