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障害者アスリートを支えるスポーツ義肢

驚くべきパフォーマンスの裏側にあるものとは

臼井二美男(義肢装具サポートセンター 義肢装具研究室長・義肢装具士)

 スポーツに取り組む前に大事なのは、まず傷をしっかり治すこと。そして、仕事と私生活を安定させて、生活基盤を整えること。チャレンジするのは、それからです。まれにそれらを踏まえないでスポーツをはじめる方もいますが、長続きしません。そして、義肢を着ければすぐにスポーツができるようになるわけではありません。2年ほどかけてかかわっていく、というくらいのスパンで考えてください。
 次は情報集めです。全ての都道府県に設けられているわけではありませんが、公的な障害者スポーツセンターが各地にあります。そこへ連絡を取れば、興味のある種目に合ったクラブやチームなどの情報を得られるはずです。ネックとなっている高額のスポーツ義肢なども、義肢製作所などを通じて1カ月で7000円ほどからレンタルできるような制度がはじまっています。
 情報を集め、興味がわいたら、ぜひアクションを起こしてほしいと思います。なんでしたら、筆者たちのセンターに相談していただいてもかまいません。

2020年・東京パラリンピックへ向けて

 2020年の東京パラリンピックでも、選手たちを支えるのは、やはりスポーツ義肢です。現状でも存分な記録を打ち立てていますが、彼らも筆者も満足してはいません。
 筆者の目標は、そのときまでに、純国産の、そして世界水準を超えた陸上競技用の義足を作り上げることです。今のところ、陸上競技用の義足は一見同じような形をしていると思われがちですが、並べてみると、どれも違った形をしています。それは、まだ完成形にいたっていないことの表れで、改善の余地が残っていることを意味しているのです。
 現在、筆者は日本のスポーツ用品メーカーと義肢メーカーとともに共同開発のプロジェクトを進め、この秋には新しい義足の初期モデルを完成させる予定です。さらに、2018年までに上級者用のハイパーなモデルを完成させることを目指しています。東京パラリンピックに出場する日本の代表選手たちの記録更新を手助けするとともに、この新しい義足を世界に向けて発信したいと思っています。
 同時に、障害をもっていてもスポーツにチャレンジしたいと考える人を増やし、それを支援し、受け入れるための態勢の充実に貢献していくことも筆者の務めだと思っています。

著者情報

義肢装具サポートセンター 義肢装具研究室長・義肢装具士

臼井二美男

うすい ふみお

1955年生まれ。大学中退後、28歳のとき、公益財団法人鉄道弘済会 義肢装具サポートセンターの前身となる東京身体障害者福祉センターに就職。89年、日本で初めてとなるスポーツ義肢の製作を開始し、91年には切断障害者陸上クラブ「ヘルスエンジェルス」を創設、代表を務める。2000年のシドニー・パラリンピック以降、日本代表選手のメカニックとして同行し、16年のリオデジャネイロ・パラリンピックでも選手たちを支える。
公益財団法人鉄道弘済会 義肢装具サポートセンター連絡先
〒116-0003 東京都荒川区南千住4-3-3
電話:03-5615-3313(代表)
ファクス:03-3891-3293
メール:sinsho@kousaikai.or.jp

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