フードダイバーシティ最前線!(前編)~オリンピックを前に待ったなし!食の「おもてなし」は万全か?
加藤裕子(生活文化ジャーナリスト)
ベジタリアンやヴィーガン対応店を紹介するガイドマップ(東京[中央・左上]広島および中国地方各県[右上]、大分市[左下]のガイド)
たとえば、ラグビーワールドカップのキャンプ地・試合会場となることが決まった大分市は、今年2月、市内のベジタリアン対応飲食店を掲載したガイドマップを発行した。
掲載店数は8店とまだ少ないが、マップを監修した一般社団法人ベジフード協会代表の神田京子さんによると「昨年行われた大分市主催のハラールやベジタリアン対応に関するセミナーには30名の参加があり、ワールドカップを前に関心も高まっています」という。こうした状況を受け、「ベジフード協会」ではムスリムの理事を迎え、ベジタリアンだけではなくムスリムへのサポートにも力を入れているところだ。
「ダイバーシティということでは、バリアフリー対応かどうかということも重要と考え、マップに記載しました。これから外国人観光客だけでなく留学生や在住者も増えていくとすれば、ラグビーワールドカップの後も『どんな人でも皆が一緒に食卓を囲める』ことが求められるのは変わりません。『豊(とよ)の国』と呼ばれ、新鮮でおいしい野菜が豊富な大分で、ベジ対応メニュー日本一を目指して活動を続けていきたいと思っています」
日本食を楽しみに訪れる外国人にとって、大都市にはない、地域で育まれてきた食文化の魅力は大きなアピール材料となる。それが「おもてなし」になるかどうかは、フードダイバーシティへの配慮にかかっていると言えそうだ。
著者情報
生活文化ジャーナリスト
加藤裕子
かとう ひろこ
1970年、東京都出身。早稲田大学政治経済学部卒業。女性誌編集者を経て、1999年フリーに。同年渡米し、ヴィーガンの情報を発信するThe Vegetarian Resource Group(米国メリーランド州)に籍をおき、アメリカの食文化、健康志向などをテーマに取材・執筆。現在は日本在住。著書に『スシ、プリーズ!〜アメリカ人寿司を喰う』(集英社新書)、『食べるアメリカ人』(大修館書店)、『「和の道具」できちんと暮らす すこし前の日本人に学ぶ生活術』(ポプラ社)等がある。